ウェザーニューズが、突発的かつ局地的に大雨や雷をもたらす「ゲリラ雷雨」の7月~9月における発生傾向を発表。宮城県では240回と昨年の1.5倍で、大都市圏の東京・大阪も昨年よりやや多めの見込みだという。
急激に発達する「ゲリラ雷雨」は、大気の状態が不安定なときに、地上付近での局地的な加熱や地上風の収束などによって上昇気流が形成され、そこで積乱雲が急発達することによって発生する。記録的な猛暑になった2010年は、太平洋高気圧が非常に強く、大気の状態が安定しており発生回数は少なくなった一方、2011年は太平洋高気圧の勢力が強弱を繰り返す状況で、発生回数が多かった。今年も、昨年と同じように太平洋高気圧の勢力の強弱があり、勢力が弱まるお盆頃は全国的に「ゲリラ雷雨」が発生しやすくなる見込みだという。また、夏期を通しての発生回数は、昨年と同じかやや多くなる傾向にあり、東京都では120回程度、大阪府では160回程度の予想で、大雨災害に見舞われた九州では、熊本県で260回程度と昨年の1.3倍と、東北太平洋側では発生回数が240回程度と昨年の1.5倍予想される。
「ゲリラ雷雨」に起因とする事故は全国で発生している。厳密には「ゲリラ豪雨」とは異なるが、日本損害保険協会のリリースによると、今年4月に発生した低気圧による被害に対する保険金支払額は586億円を超える。保険金支払の対象となっていない被害も含めると、その額はさらに大きなものとなるであろう。昨年の震災から徐々に復興に向けた動きが加速している中、その動きに水を刺されぬよう、こうした情報が広く行きわたり、備えが進むことを期待したい。