近未来の社会を実現する新技術が集結

2012年07月23日 11:00

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アジア最大級の電子部品の展示会「TECHNO-FRONTIER2012」には、エレクトロニクス・メカトロニクスに関する要素技術の10分野から国内外459社が出展し、約3万人近い来場者を集めた。

 アジア最大級の電子部品の展示会「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2012」が、7月11から13日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された。今回は、「モータ」「電源」などエレクトロニクス・メカトロニクスに関する要素技術の10分野を集め、459社(日本国内から387社、海外7カ国・地域から72社)が出展。近未来の社会を作る先端技術が集結するイベントとあって、3日間で約3万人近い来場者を集めた。

  期間中、とりわけ注目度が高かったのが、次世代の充電システムといわれているワイヤレス給電技術だ。最近では、スマートフォンなどをケーブルに接触せずに充電できる非接触給電の実用化が進んでおり、その最新技術に人々の関心は高いようだ。例えば東芝は、同社が開発したスマートフォンなどの携帯型電子機器にワイヤレス給電するためのシステムLSIを出品。ワイヤレス給電システムの開発を共同で進めてきた韓国のHanrim Postech LLC製の給電パッドや受電ジャケットと共に紹介されていた。

  また、スマートフォンやタブレット端末に使用される電子部品の分野において既に高い評価を得ている東光は、「メタルアロイパワーインダクタ(高性能コイル)」と呼ばれる表面実装用の小型チップ・パワーインダクタ製品を出品。従来品と比べ、直流抵抗を約20%も改善したシリーズや、高周波対応を実現したタイプ、L字電極を採用したタイプなどラインアップを充実させ、さらに他社との差別化を図っていた。

  産業機器や太陽電池、電気自動車、鉄道といったパワーエレクトロニクスの分野に関しては、世界で初めてフルSiCパワーデバイス・モジュールの量産に成功したロームが、太陽光発電システムや電源などでの利用されるSiC製のショットキー・バリア・ダイオード(SBD)や、SiC製MOSFETなど最新の製品を出品。低損失かつ高信頼性を実現したことで、さまざまな機器への応用が期待でき、さらなる低消費電力化・小型化が可能となる。11日に行われたランチセッションで最新SiCデバイスについて発表した同社のSiCパワーデバイス製造部副部長である伊野和英氏は、「SiCデバイスは、既にあらゆる製品に利用が広がっており、特別なものではなくなってきている」とし、同社が今後計画しているSiC関連製品を紹介したうえで、さらに高性能化・小型化を実現することで今後さらに適用範囲が拡大していくと自信を伺わせた。

  他にも、最先端のロボット技術のデモンストレーションなどが行われ、産業分野からサービス分野、さらには災害時の活動など、進化するロボットの広がる可能性にも人々の関心は高いようであった。今回の展示会で集結したBtoBの先端技術が、次世代のスマートな社会への移行に拍車をかけ、混迷する日本経済にも刺激を与えてくれることを期待している。