熱中症対策、こまめな水分補給を促すメーカーの施策とは

2012年07月23日 11:00

 梅雨が明け、真夏日となる日も出てくるなど、本格的に始まった夏。それと同時に、消防庁のデータによると、平成24年の7月9日から7月15日までの間で、千葉・愛知・大阪・兵庫では100人を超え、東京や埼玉では200人を超えるなど、熱中症傷病者搬送人員数が急増している。熱中症対策には水分補給が必須であることはすでに広く認知されているが、数字を見る限りにおいては実践されていないことも少なくないようである。こうした中、飲料メーカーから、水分補給を促すための諸策が展開されている。

 これまでも時節にあわせて豊富なバリエーションを展開していきたダイドードリンコは、夏に向けて「Miu」のボトルデザインを一新。商品に配合した海洋深層水由来の成分を「海の宝石」と見立てて表現した「アクアジュエルボトル」を採用し、パッケージには海洋深層水をイメージしたイラストを配することで飲みやすい商品として訴求を図ると同時に、同商品によるこまめな水分補給を促している。

 またキリンビバレッジは、元サッカー日本代表の小倉隆史氏率いるコーチ陣がサッカーの楽しさや技術を伝える「キリンサッカーフィールド」のイベント時に、同社のミネラルウォーターブランド「アルカリイオンの水」が推奨している運動時の水分補給方法「ウォーターローディング」を実践。運動時の水分補給の適切なタイミングや量を、子供たちにも広く浸透させる活動を実施している。

 さらにファミリーマートも、7月28日および29日に大阪市の長居陸上競技場で開催されるGLAYのコンサート「GLAY STADIUM LIVE 2012 THE SUITE ROOM in OSAKA NAGAI」に合わせて、コラボレーション企画としてGLAYのパッケージデザインのファミリーマートオリジナルミネラルウォーターを発売し、コンサート時の水分補給を促している。

 矢野経済研究所の調査によると2012年度のミネラルウォーター市場は、震災の影響で急拡大した反動で落ち込むと推測されており、前年度比95.1%の2330億円と予測されているなど、底堅いニーズがありながら市場が伸長は鈍い。上記のような水分補給に対する啓蒙がさらに進めば、熱中症傷病者の数は減り、市場も一回り大きくなるのではないだろうか。