事業所向けにエネルギー使用量をリアルタイムで計測・管理し可視化で無駄を見つけたり、負荷制御する機器・装置やシステム、サービスを提供する「省エネルギーの見える化システム・サービス市場」は2012年度557億円規模になると矢野経済研究所が17日発表した。2011年度(推計)に比べ11.1%の増になるとみている。
2011年度の市場も501億円規模と推計しており、これは前年度に比べ13.9%の高い伸びになっている。
同研究所は2012年度も「引き続き電力供給不足が懸念されるのに加え、国によるエネルギー管理システム導入促進事業費補助金制度が始まったことで市場拡大が見込まれる」と予測。「2013年度までは補助金制度により、特需的に中小ビル向けの需要開拓が進む」とみている
一方で「将来的にはスマートメーターとの競合も想定され、負荷の自動制御や機能付加、差別化が課題となる」とこれら課題への取り組みの必要を提起した。
2011年度内訳(いずれも推計値)をみるとシステム市場が378億円(メーカー出荷金額ベース)、機器・装置が71億円(メーカー出荷金額ベース)、サービスが52億円(事業者売上高ベース)になっており、「省エネ見える化システム・サービスの普及条件は低コスト化で、特に機器・装置やサービスでは低価格化が進行している」と報告している。(編集担当:森高龍二)