パナソニックグループのエナジー社が、中国の蘇州工場内で建設を進めていた民生用リチウムイオン電池新工場が竣工したと発表。新工場の稼動により、蘇州工場における極板・セル・電池パックの一貫生産体制を構築し、グローバル競争力を強化するという。
リチウムイオン電池は、太陽光など再生エネルギーの蓄電用や環境対応車などの動力用といった新しい用途の拡大が期待される一方、ノートパソコンや携帯電話などの民生用途については、グローバルでの競争激化や為替の影響などにより、より一層のコスト低減が市場から求められている。この需要を受けてパナソニックは、中国3拠点(蘇州、無錫、北京)での一貫生産体制を構築して民生用リチウムイオン電池の生産を増強。中国での生産比率の拡大、現地部材の活用、物流コストの削減等により、コスト低減を図るとのこと。また中国での展開は、コスト低減だけでなく、為替変動のリスクヘッジも可能となる。
エナジー社の2011年度営業利益は前年比57億円減のマイナス209億円となっている。現地部材の活用ふくめ、中国での一貫生産体制を構築することでこの現状を打破することができるのか。低コスト化に伴い、安全性まで低下しないことを祈りたい。