災害関連死災害弔慰金 認定基準 国で定めて

2012年07月17日 11:00

 東日本大震災の関連死に関する市町村職員からのヒアリングで「60歳代以上の高齢者に係わるものが圧倒的に多く、体調の良し悪しにかかわらず、特に、通院歴のある高齢者を優先して福祉避難所など比較的環境が優遇された場所へ移行できる体制が必要」など、今回の震災を教訓にした対応策へのヒントが浮かび上がってきた。復興庁がヒアリングの結果を13日までに公表した。

 ヒアリングでは「避難所などでの厳しい生活環境がその後の健康状態に影響を及ぼす」として「早期のライフライン復旧など避難所などの環境整備・改善が重要」としている。仮設住宅については「建設当初から暑さ、寒さ対策などに留意する」必要もあがった。

 また「震災の影響によるストレスから体調を崩すケースも多く、より多くの精神科医や福祉関係者らによるサポートが必要」との声があがった。さらに「動かしてはいけない病人をどうするか」といった課題や「人員を含め、災害拠点病院が機能しない場合のバックアップ体制をどうするか」などの課題も浮き彫りにされた。

 災害関連死に係わる災害弔慰金の支給についても「必要な提出書類、資料を含めた認定基準を国で定めてほしい」との意見や「時間の経過とともに死因と震災との因果関係の判断が困難になる」などの意見も出た。また「住民対応している担当者のストレスが大きい」こともあがった。

 震災関連死者は今年3月31日現在で全国に1632人確認されている。このうち761人が福島、636人が宮城、193人が岩手で亡くなっていた。(編集担当:森高龍二)