「ご当地○○」から「良いまち大賞」まで。今、地域活性が熱い

2014年10月04日 19:51

 9月29日に召集された第187臨時国会の所信表明演説において、安倍総理大臣は今国会を「地方創生国会」と位置づけ、地方の活性化に取り組む姿勢を強調した。それを象徴するのが、第二次安倍改造内閣で新設された地方創生担当大臣。また、「まち・ひと・しごと創生本部」が首相官邸に設置され、こちらは安倍首相自らが本部長となって、地域活性化の具体的な施策を検討していくという。来年に控えた地方統一選への布石という見方もできるが、いずれにしても地方に活気が生まれるのは望ましいことである。

 政府だけでなく、近ごろは日本全国が空前の「ご当地ブーム」に沸いている。今や、地域ごとに「ゆるキャラ」がいるのも当たり前の世の中。ご当地アイドルやご当地ヒーローご当地グルメなどで町おこしを行う手法も、もはや定番となりつつある。さらに最近では、地方の特産品などのリターン目当てで、ふるさと納税にも注目が集まっている。

 このように、町おこしや地域活性化の方法は様々だが、県として早くから取り組みを強化しているのが埼玉県だ。埼玉県の住まいづくり協議会では毎年、県内のまちをより良くするする活動の推進に寄与するため「埼玉住み心地の良いまち大賞」の募集を行っている。同賞は、埼玉県内の実際にある住み良い心地のまち・暮らし良いまちを様々な視点から推薦、PRするイラストや写真、散文や詩など、自由な発想の作品を募っている。

 第10回を迎える今年は、地元の新聞社である埼玉新聞社をはじめ、工務店ネットワークを主宰するアキュラホーム、など、多数の協賛企業が名を連ねた。9月12日に応募が締め切られ、22日に埼玉県県民健康センターにて審査会が行われ、審査作品数2118点の内、入選作74作品と優秀団体賞1校が選ばれた。前年度よりも744点も応募作品数が増加しており、人気の高さがうかがえる。小学生の部では2年連続受賞を果たした兄弟がいたり、団体では200作品以上を応募する学校も何校かあったりと、地域住民に広く浸透しているようだ。

 地域の創生といえば、25年前の1989年、バブル真っ只中の竹下政権時に行われた「ふるさと創生」事業を思い浮かべる人も多いだろう。地域振興のための資金1億円を各市区町村に交付した政策で、当時からバラマキ政策とも言われて批判も多かった。安倍内閣が同じ徹を踏むとは思えないが、どんな政策を行うにしても、一過性で終わらせるようなものでないことを期待したい。(編集担当:藤原伊織)