震災被災者や雪国の高齢者案じられる 天皇陛下

2012年12月23日 14:58

 天皇陛下は23日、79歳の誕生日を迎えられた。誕生日に際して、天皇陛下は「東日本大震災から1年9ヶ月が経ち、被災者に再び厳しい冬が巡ってきています。放射能汚染により、かつて住んでいたところに戻れない人々、雪の積もる仮設住宅で2度目の冬を過ごさなければならない人々など、被災者のことが深く案じられます」と被災者を案じた。

 また、先月、沖縄を8年ぶりに訪問された感想では「これまでの戦争で沖縄の人々の被った災難というものは、日本人全体で分かち合うということが大切ではないかと思っています」と話された。

 天皇陛下は、また、高齢化する社会を案じられ「都市から離れた地方では大変深刻な問題になっていると思います」と語られ、昨年度の冬期の雪による死者が130人以上になり、多くが除雪作業中の高齢者であることを紹介されたうえで「高齢者が雪国で安全に住めるような状況が作られていくことを切に願っています」と話された。

 また、天皇としての公務については「憲法によって定められた国事行為のほかに、天皇の象徴としての立場からみて、公的にふさわしいと考えられる象徴的な行為という務めがあると考えられます」と話され、全国植樹祭などをその例にあげられた。

 そのうえで、天皇陛下は負担の軽減については「公的行事の場合、公平の原則を踏まえてしなければならないので、十分に考えてしなければいけません。しばらくは、このままでいきたいと考えています」とし、これまで通り、公的行事では自ら役割を果たしていく考えを述べられた。(編集担当:森高龍二)