東急不動産のあべのキューズタウンやJR西日本SC開発のルクアなど、大型ショッピングモールが鳴り物入りでオープン。同年には大丸梅田店が、売り場面積を従前の1.6倍となる6万4000m2に増床させ、高島屋大阪店もリニューアルオープンするなど、大型商業施設が相次いで本格オープンした2011年。そして今年には、阪急うめだ本店が2005年から進めていた建て替え工事が終了し、グランドオープンをしたことで、集客合戦が本格化した大阪。こうした中、日経リサーチが、商圏実態調査「2012商圏センサス(関西センサス)」秋調査の結果を発表した。
関西主要約200施設の集客力ランキングによると、1位は昨年増床をした大丸梅田店、2位はヨドバシカメラマルチメディア梅田となり、2011年秋調査で1位であったヨドバシカメラを大丸が上回った。さらに3位には、大改装を終えたばかりの阪急うめだ本店がはいっている。阪急うめだ本店は11月にグランドオープンをしたばかりにも関わらず3位につけており、今後の伸びが期待される。5位にはルクアが、8位には高島屋大阪店がランクインしており、昨年から今年にかけてオープン&リニューアルをした商業施設が順当に好順位を獲得している。一方、オープン時には「109」関西進出で話題となったあべのキューズタウン(ViaあべのWalk、あべのマーケットパーク Q’s MALL)」は上位15位にもランクインしておらず、上位10施設のうち8社までが大阪駅近接施設となっており、集客が一極集中化している現状が窺える。
ただでさえ激戦の大阪駅周辺であるが、来年四月には、大阪駅北側の再開発地区、通称「うめきた」の先行開発区域「グランフロント大阪」がオープンを控えている。グランフロント大阪は、単なる商業施設ではなく、オフィスや分譲住宅、ホテルなどに加え、ナレッジキャピタルという産学官のコラボレーションにより知的価値を生み出す「場」と「機会」を提供する場も開設される。この施設は、関西圏だけでなく日本全国、ひいては世界から人を集める施設となり得るものであるため、激戦に拍車をかけるとともに、地域全体の集客力を高めるものとなる。一方で、関西圏における集客が大阪駅周辺に集中し過ぎることの弊害も多くの地域で出てくるであろう。激戦を相乗効果とし、関西圏全体の経済の底上げとすることが出来るのか、期待が高まるところである。(編集担当:井畑学)