仏ルノー社のクルマを日本国内で販売を行うルノー・ジャポンが順調に販売を伸ばしていると先日伝えた。そこで、もう一度、消費増税後の国内販売について触れる。日本自動車輸入組合(JAIA)の資料によると、2014年1月-9月期累計で、海外メーカーの乗用車販売は21万2500台で、前年比104.6とギリギリ前年実績を維持しているが、1月-3月の駆け込み需要(前年比132.2%)による貯金を完全に吐き出した。
一方、ルノー・ジャポンの販売実績は、同じ2014年1月-9月期累計で販売台数3506台(前年比138.5%)と底堅い売上を記録している。これは、「毎月“特別感のある限定車”を投入してきたマーケティング戦略が奏功した」結果だが、「昨年秋に日本市場に投入したコンパクトハッチバック車“ルーテシア”が販売増に大きく貢献」しているという。具体的には、発売から1年で実に2066台のルーテシアが販売され、これまでルノー・ジャポンを牽引してきたカングーを年間販売で抜いてブランド・トップに立った。
ルノー・ルーテシアは全長×全幅×全高4095×1750×1445mm、ホイールベース2600mmというコンパクトなボディに、ダウンサイジングコンセプトが生んだ1.2リッター4気筒直噴ターボエンジンを搭載。その最高出力は120ps(88kW)/4900rpm、最大トルクは19.4kg.m(190Nm)/2000rpmという2リッターエンジンに匹敵するアウトプットを示す。トランスミッションはデュアルクラッチ式の2ペダルを組み合わせ、ダイレクト感のある走りを実現している。
ルーテシアが人気モデルになった理由は、いくつか考えられるが、いちばんの理由は個性的なエクステリア&インテリアデザインだろう。なかでもエクステリア、国産車はもちろんドイツ車や他の欧州車にはない独特の魅力を放っている。とくに、リアドアを隠すような“ヒドンデザイン”で、あたかも2ドアスポーツを思わせるフォルムは秀逸だ。
そして、ルノー・ジャポンの戦略的限定車が10月25日に発売となった。この個性派ルーテシアのスポーティグレード、インテンスをベースに開発した「ルーテシア・クレール」は、明るく開放感あふれる室内へと一変させる固定式のグラスルーフ「パノラミックルーフ」を採用。加えて、エクステリアには17インの切削アロイホイールとフロント&リアにルージュ(赤)メタリックフィニッシャーを加え、インテリアにはルージュのインテリアパックデザインを装備し、ファッション性を高めた。外観・室内に与えた赤いアクセントは、「靴ひもを“赤”に替えただけで、オシャレな印象になった」雰囲気。とくに、ステアリングの赤いトリミングは特別感がある。
ボディカラーは、ブラン グラシエ(白)と、グリ カシオペM(グレー)の2色を設定。価格はインテンス・グレードに4万円プラスした249.8万円。各色50台の限定である。
ルノー・ジャポンによると、「今後も限定車を毎月発表する」という。(編集担当:吉田恒)