2026年度の政府予算案は、日本の安全保障環境の変化と少子高齢化という二大課題を色濃く反映した配分構造となっています。中でも注目されるのは防衛関係予算で、当初予算案として初めて9兆円の大台を突破しました。これは政府が推進する「防衛力整備計画」に沿ったもので、長距離ミサイルの開発や自衛隊の施設整備、さらにサイバー・宇宙といった新領域への投資が重点的に割り当てられています。防衛力の大幅な強化という国の方針が、具体的な数字として鮮明になった形です。
一方で、予算の最大項目である社会保障費も、高齢化に伴う自然増や医療技術の高度化を背景に、過去最大規模を更新し続けています。年金や医療、介護にかかる経費をどのように維持していくかという課題に対し、政府はデジタル化による行政効率化や薬価の改定などを通じて歳出の伸びを抑える努力を続けていますが、構造的な増加圧力を完全に吸収するには至っていません。現在は特別国会の召集を前に、暫定予算下で一部の新規事業が留保されていますが、本予算成立後には過去に例を見ない規模の国費が投じられることになります。
このように、現在の予算編成は「守り」としての安全保障と「支え」としての社会保障の双方が膨張する局面を迎えています。しかし、これらの予算増額は、日本の主権を守り抜き、誰もが安心して暮らせる社会基盤を再構築するための「未来への投資」という側面も持っています。限られた財源を最大限に活かし、効率的かつ効果的な行政サービスへと繋げることで、国民一人ひとりが安全性と安心感の両方を実感できる、強靭な国づくりへの大きな一歩となることが期待されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













