2014年8月の輸入車(乗用車)の販売が極端に落ち込んだ。日本自動車輸入組合によると、8月の輸入車登録台数は1万8191台と前年同月比で93.5%となっている。4月からの消費増税がじわりと影響してきたと見るべきか。1-8月期累計でも前年比104.8%とぎりぎり前年実績を維持しているが、1-3月期の駆け込み需要の貯金は底をついた。このままで行くと残り2カ月で累計前年割れとなりそうだ。
そんななか、矢継ぎ早に「特別限定車」をリリースしている仏ルノー車が意外に元気だ。8月は302台(前年比161.5%)、1-7月期累計で3119台(同142.6%)である。元のパイが小さいとはいえ、悪くない数字である。日本メーカーの輸入車を除くと、累計台数で輸入車10位につけている。
2013年に本国フランスで市販をスタートし、2014年に日本上陸を果たしたルノーの都会派クロスオーバーSUV、ルノー・キャプチャーは、高いアイポイントがもたらす視界の良さと、大径ホイールによる安定感が身上といえる。
日本仕様車は、低燃費とパワーを高いレベルで両立させた1.2リッターターボエンジンと6速エフィシエント・デュアル・クラッチ(マニュアルベースの2ペダル)を組み合わせる。1.2リッターエンジンは、ターボによる過給を得て、最高出力120ps(88kW)/4900rpm、最大トルク19.4kg.m(190Nm)/2000rpmを発生し、2リッタークラスに迫るダイナミックな運動性能・レスポンスと爽快な加速フィールを感じさる。
ボディサイズは全長×全幅×全高4125×1780×1565mm、ホイールベースは2605mmとコンパクトながら、クラスを超える長いホイールベースが与えられ、タイヤをクルマの四隅に追いやった安定感のあるフォルムを実現している。
この長いホイールベースのおかげで、コンパクトなサイズからは想像できないほどの収納力も見逃せない。スケートボード、スポーツ用具、旅行バッグなど、冒険を彩る道具もラゲッジスペースにがんがん積める。また、ロングスライド式リアシートやマルチポジション&ウォッシャブルラゲッジフロアボードによる多彩なレイアウトで、使い勝手も良好だ。
そんなルノー・キャプチャーに早くも特別限定車が登場した。「キャプチャー・ルシオン」である。これは、キャプチャーの上級グレードである「インテンス」をベースにして特別装備を装着したモデル。南仏プロヴァンス地方にある美しい村「ルシオン」をイメージして製作したモデルだという。
特別な装備の一例を列挙すると、特別塗色のオレンジ色の「オランジュ・ルシオンルーフ」「17インチ・オレンジアロイホイール」、やはりオレンジ色でトリミングした「フロントグリル/フォグランプベゼル/サイドモール/リアエンブレム」などのエクステリアのほか、インテリアでもプレミアムオレンジの「内装トリム」「センタークラスター/エアコンベント/スピーカーグリル」などで構成する。
この「キャプチャー・ルシオン」は日本国内150台の限定車で、価格はベース車プラス7万円の274.2万円。個性派のキャプチャーがさらに存在感を増す。(編集担当:吉田恒)