大引け間際の買いのプレゼントで1万円維持

2012年12月25日 20:00

 前週末21日のNYダウは財政の崖問題の行き詰まりで120ドル安、短縮取引の24日も51ドル安と続落したが、為替レートは日本が三連休の間に、ドル円は83円台後半から85円寸前まで、ユーロ円は110円台後半から112円寸前まで円安が進んでいた。「掉尾の一振」で今年最終週で3月27日の年初来高値10255.15円を更新する期待をはらみながら、三連休明け25日の東京市場は日経平均152.29円高の10092.35円と1万円台を回復して始まった。直後に10100円台に乗せたが、あとは一進一退の小動きが続く。後場の2時台にじりじり下げ始めて最安値10030円までいくが、大引け15分前頃に突如、買い勢力が現れて株価が持ち直し、140.06円高の10080.12円で引けた。海外勢がクリスマス休暇中のためか売買代金は1兆1532億円と先週と比べて少なめ。為替はザラ場中ドル円85円、ユーロ円112円には乗らなかった。

 2時台の売り勢力かと考えられるのは個人投資家の「節税対策売り」で、年内に4営業日目決済を済ませるには25日が約定のリミットだった。大方は日経平均が1万円を割った21日で消化されたと思われたが、まだ残っていたようだ。一方、大引け間際の買い勢力と考えられるのは月末おなじみの「ドレッシング(お化粧)買い」。“お化粧のり”がいい「日経平均寄与度御三家」のファーストリテイリングもソフトバンクもファナックも、分足チャートは全て大引け間際に一気に棒上げしている。28日の大納会の日経平均1万円以上が必達ミッションなら、今日はその“予行演習”だろうか。

 値上がり銘柄は1000を超え、上がった業種は上から証券、不動産、その他金融、建設、精密の順で、金融緩和関連と輸出関連と公共投資関連が混在。下がった業種は下から鉱業、石油・石炭、陸運、空運、卸売だった。証券株代表の野村HD は6%以上の上昇で9連騰。売買高4位、売買代金1位に入った。メガバンクのみずほ、三菱UFJは今日も買われ、すっかり売買高ランキング上位の常連の三井住友建設は8円高でこの日も2位。東京電力が買われソフトバンクは3ケタの上昇だったが、トヨタは下げた。シャープは6日続伸後に4日続落で、22円安で値下がり率2位。相変わらず売買高3位、売買代金4位と商いは活発だった。

 今日の主役は東京都競馬。37円高(+26.61%)で値上がり率1位。売買高8位。23日の有馬記念の優勝馬ゴールドシップは有馬記念を2回制したオグリキャップ(笠松競馬出身)と同じ芦毛の馬だが大井競馬出身ではない。なぜ買われたかというと湾岸エリアにある大井競馬場の含み資産期待で、同じ湾岸エリアにある川崎競馬場、船橋競馬場を所有し値上がり率5位に入ったよみうりランドと同じ思惑だ。不動産株人気はこんな銘柄にも波及している。経営が苦しい地方競馬の競馬場は、敷地が広いので絶好の都市再開発候補地とみなされている。オグリキャップを輩出した笠松競馬場は廃止話が何度も持ち上がっているが、ハイセイコーを輩出した大井競馬場の運命やいかに。(編集担当:寺尾淳)