YAMAHAが求める新たな感性とは

2012年07月13日 11:00

k120711_033_3

6月29日にヤマハ銀座スタジオで行われた記者発表で、自らのグラフィックアートに関する想いを発表する日比野克彦氏(撮影:北尾準)

 創業から今年で125周年を迎える「YAMAHA」ブランドは、音楽・スポーツ用品分野で実績を築き上げてきたヤマハと、オートバイやマリンなどを中心とする乗り物分野においてものづくりに携わってきたヤマハ発動機が共有している。そんな2つの「YAMAHA」がタッグを組み、豊かな感性を持つ新たな才能を発掘するコンテスト「Graphic Grand Prix by Yamaha」を開催することが先日発表された。

 同コンテストは、「今の時代の感動」を追求するグラフィック作品を、アートで表現。油彩、水彩、イラスト、フォトコラージュなど2次元のデジタル作品であればジャンルを問わず、広く一般から募るという。6月29日に行われた記者発表で今回審査委員長を務める日比野克彦氏は、「まずは、国を作るのは文化である。自分たちのアイデンティティーを視覚化して他者に伝えていくことで、新たなコミュニティーが生まれ、それはやがて経済活動にもつながっていくのではないでしょうか」と自らのグラフィックアートに関する考えを語った。

 記者発表会のステージ上には、楽器やバイクのエンジンの設計図などがデザインされた大きなフラッグが展示されており、日比野氏と両社のスタッフがそれぞれの思いを込めて制作する過程の映像も公開された。今回のコンテストのテーマは「存在。」。グラフィックを通じて、今の時代を表す空気、表現する者と受け取る側の感覚をあらためて考え、そこで生まれる「感動」をすくいとり、SNSなども利用し広く社会と共有してゆく予定だ。

 尚、同コンテストの応募期間は9月30日までで、最終審査は11月中旬と予定されている。両社は、今回のコンテストを通じて「豊かな感性を大切にすること」を理念とする企業姿勢を広く示していきたいとしている