【今週の展望】「鬼門」のSQ週でもあり「調整」の良い機会

2014年11月09日 20:28

 「だが前週、NYダウは史上最高値を更新し続けても、日経平均は17000円の大台にザラ場では乗せても終値では乗せられなかった。そこに何かあるんじゃないか?」と言う人がいるかもしれない。日経平均が上値を追えなかったのは、アメリカの中間選挙やECB理事会や週末のアメリカ雇用統計待ちの様子見という要素もあったが、やはり一気に「買われすぎ」になったからで、それはテクニカル・ポジションを見れば理解できるはず。

 7日の日経平均終値16880.38円のテクニカル・ポジションは、10月31日と同様に移動平均線も日足一目均衡表の「雲」もみんな下にある。移動平均は16777円の5日線だけが近くにあり、他は15619円の75日線も、15602円の25日線も、15099円の200日線も全て1000円以上も下。「雲」は15563~16026円で、463円幅とぶ厚いけれども800円以上も下に横たわる。ただボリンジャーバンドでみれば16278円の25日線+1σと16953円の25日線+2σの間にあり、10月31日よりは買われすぎの度合いが改善されている。

 10月31日と比べると、7日のストキャスティクス(9日Fast)は94.59から86.74に低下したが、騰落レシオは81.30から91.81に上昇し、25日移動平均線乖離率は5.9%から8.19%に上昇して「買われすぎ」の度合いがより増している。テクニカルがこんな状況では「17000円を超えてグングン上値を取っていく」「通貨単位を無視した絶対値で日経平均がNYダウの数字を上回り、NN倍率が逆転する」というのは、ちょっと無理な相談だろう。それを望むなら、ここは上値追いをひと休みして、25日や75日の移動平均線がじわじわと上がってきて「買われすぎ」が緩和するのを待つ「日柄調整」が必要な局面ではないだろうか? それは株式市場以上に、為替市場についても言える。

「調整」だから、下がる。日柄調整の踊り場もあれば、前週のような海外投資家のポジション調整の下げもある。為替市場の調整に伴う下げもあるだろう。エボラ出血熱もイスラム過激派のテロも、決してリスクは消え去ったわけではない。ましてや今週はマイナーとはいえ〃鬼門〃のSQ週で、オプション取引の事情に伴う調整や、「SQ値を低く抑えたい」という思惑などが現物市場をかき乱すことも十分ありうる。では、どこまで下がる可能性があるのか? 16500円では25日移動平均乖離率が5.75%でやや高い。それが5%になるラインは16382円で、その下にボリンジャーバンドの25日線+1σの16278円がある。両者の中間の16300円あたりが第1防衛線。そして7日は16026円で、今週は15900円を少し超えるあたりが上限の「雲」のバウンドが第2防衛線というところか。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは16300~17000円とみる。

 投資主体別売買状況の個人は大幅売り越しだが、これは10月の低迷時に買い向かった分の利益確定売りが入っている。利益を確定したら、海外投資家は日本から逃げてよその国に投資するかもしれないが、国内の個人投資家のほとんどは次も日本株に投資してくれる。前週4日間の東証1部の1日平均の売買高は35億株、売買代金は3兆6744億円で、長い間、「20億株、2兆円に届かない」と嘆いていたのがまるでウソのような活発な商いで、売買手数料増が期待できる証券セクターの株価は上昇をみせている。11月に入り、それまでサッパリ売れていなかった株式投資の入門書が売れ始めたという話も聞くから今後、未利用の今年分のNISA枠を持つニューカマーの参入も期待できそうだ。これもまた「黒田さんの突然の贈り物」の恩恵だろう。(編集担当:寺尾淳)