【日経平均】7年ぶりの17000円台に定着せずとも448円高

2014年11月04日 20:20

 前週末10月31日のNYダウは195.10ドル高の17390.52ドルで9月19日以来約1ヵ月半ぶりに史上最高値を更新した。NASDAQ総合指数は64.60ポイント上昇し14年7カ月ぶりの4600台に乗せた。全面高の最大の理由は日銀の追加金融緩和で、経済指標も個人所得が堅調に伸びシカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感指数とも市場予測を上回った。エネルギー関連のエクソンモービルとシェブロンが純利益が伸びる決算を発表し、ともに2.4%上昇した。

 3日のNYダウは24ドル安の小幅安でもNASDAQ総合指数は8.17ポイント上昇。中国の製造業PMIは、物流購買連合会の1日発表分は50.8で9月の51.1から低下し市場予測を下回ったが、3日発表のHSBCの確報値は速報値と同じ50.4で前月比0.2ポイント上昇。アメリカの建設支出は0.4%減で2カ月連続マイナスになり7~9月GDP改定値が下方修正される可能性が出たが、ISM製造業景況指数は59.0で前月比2.4ポイントも上昇して低下の市場予測を良い方に裏切った。経済指標の強弱が交錯し、NYダウは取引時間中の史上最高値を更新しながらヨーロッパ市場の軟調、80ドルを割った原油先物価格の下落、中間選挙前の様子見、前日の大幅高の反動などもあり小幅安。エクソンモービルは1.5%、シェブロンは2.6%下落した。

 為替レートは31日にドル円112円台、ユーロ円140円台まで円高が急進し、4日朝方はドル円は一時114円台をつけて113円台後半、ユーロ円は142円台前半で、10月31日朝に比べてどちらも約5円も円安が進行し、風景はすっかり変わっていた。

 CME先物清算値は31日は17025円、3日は17345円。「突然の贈り物」で世界のマーケットに元気と安心を注入した日銀の黒田総裁は、記者会見でその理由を「期待形成のモメンタムを維持するため」と述べた。マーケットの気まぐれに付き合うにはこんなやり方も必要らしい。波瀾万丈の10月の騰落を最終日の大逆転で240円高で終えた日経平均は三連休明け、319.09円高の16732.85円で始まり「4日新甫」の11月がスタート。TOPIXも大幅高で1350円台に乗せて始まる。日経平均採用銘柄に買い気配が多いため値がつくにつれて急上昇。午前9時6分に17000円をあっさり突破した。ザラ場中の日経平均17000円台は2007年10月18日以来。

 9時9分には17127円まで上昇し、TOPIXは1390台をマーク。しかし9時27分には日経平均は一時17000円割れし、TOPIXは1380割れしたが17000円をはさんで小動きする展開に落ち着く。9時台の1時間だけで売買高19億株、売買代金1兆9088億円と、少し前の1日分の商い。10時台は16900円付近まで下落する局面もあったが、上海も香港もマイナスで始まるにもかかわらず10時45分に17000円台を回復して再び17000円をはさむ小動き。為替が少し円高方向に振れ、10月31日時点で16984円のボリンジャーバンドの「25日線+3σ」がレジスタンスラインの模様。少し上昇して前場を終了し前引けは17071円。TOPIXは1380を回復した。

 後場は下げて再開し、すぐ17000円の大台を割り込む。TOPIXも1370台に下がる。おおむね16950~17000円のレンジの小動きが午後2時頃まで続き、売買も急減。アメリカの中間選挙結果待ち、雇用統計待ちに「ウクライナ和平合意が事実上破たん。武力衝突再燃の恐れ」と共同通信が配信して地政学的リスクも意識された。2時台に17000円にタッチしてもあっさり折り返し、小口の利益確定売りが入って16950円を一時割り込む。終盤には16900円もあっさり割り込むが、それでも終値は448.71円高の16862.47円で4日続伸し年初来高値を更新した。日中値幅は407円と大きい。TOPIXも+35.01の1368.65で年初来高値更新。売買高は52億株、売買代金は5兆4304億円で、前回の「黒田異次元緩和」翌日2013年4月5日をしのぎ、同年5月23日の「アベノミクス相場最高額」に次ぐ記録になった。

 東証1部の値上がり銘柄数は1198で全体の65%を占め、新高値更新銘柄は300を超えた。値下がり銘柄数は563。33業種別騰落率は値上がり28業種、値下がり5業種。プラスのセクターの上位は証券、その他金融、海運、輸送用機器、ガラス・土石、電気機器など。下位は小売、繊維など。マイナスのセクターは鉱業、水産・農林、石油・石炭、空運、パルプ・紙だった。

 日経平均採用225種は値上がり192銘柄、値下がり29銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+44円、2位はKDDI<9433>で+25円。マイナス寄与度1位は日本ハム<2282>で-5円、2位は日東電工<6988>で-3円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>3.8円高、三菱UFJ<8306>6.2円高、三井住友FG<8316>143.5円高。地銀の横浜銀行<8332>と第二地銀の東日本銀行<8536>が2016年春に経営統合するニュースが流れた。東京と神奈川の地銀統合で総資産約16兆円で地銀首位になる。朝方に両行は「可能性について検討していることは事実」とコメントを発表し東証は売買規制措置を回避。横浜銀行は9日続伸で21.5円高、東日本銀行は43円高で値上がり率4位で、ともに年初来高値を更新した。フィデアHD<8713>(北都銀行、荘内銀行)は全国の地銀、アジア8カ国の金融機関と包括的な協力協定を結んで銀行取引先のアジア進出を支援すると報じられ5円高。地銀の再編機運が盛り上がってきた。

 業種別騰落率2位に入ったその他金融セクターは代表銘柄が商いを伴って上昇。アイフル<8515>は売買高2位、売買代金3位で58円高。値上がり率9位。オリコ<8585>は売買高10 位で7円高。200億円を投資し千葉県と茨城県に物流施設を建設と報じられたオリックス<8591>は売買高15位、売買代金9位で154円高。アプラスF<8589>は20円高で値上がり率6位だった。

 手数料に直結する売買代金急上昇を反映して証券セクターは業種別騰落率トップ。野村HD<8604>は売買高、売買代金とも5位で52.1円高、大和証券G<8601>は売買高9位、売買代金15位に入り105.7円高で値上がり率12位、松井証券<8628>は70円高。値上がり率ランキング7位にマネックスG<8698>、10位に岡三証券G<8609>、11位にいちよし証券<8624>、14位にカブドットコム証券<8703>、15位にジャフコ<8595>が入った。FX取引業者のGMOクリックHDは、連結子会社のFXプライムbyGMO<8711>を株式交換で完全子会社化する手法で東証ジャスダックに上場を申請する方針を固めたと報じられ、FXプライムはストップ高比例配分の80円高になった。

 中国での自動車販売台数見通しを日産<7201>は143万台から122万台に引き下げた。ホンダ<7267>やマツダ<7261>も同様。後場には10月の国内新車販売台数が発表され、登録車は前年同月比9.1%減で3ヵ月連続のマイナス。軽自動車は0.7%減で2ヵ月ぶりのマイナスだった。しかし日銀緩和後の急速な円安を受けて輸送用機器セクターは業種別騰落率4位。トヨタ<7203>は302円高で年初来高値を更新し、ホンダは57.5円高、日産は30.1円高、通期の純利益が過去最高の業績観測が出た富士重工<7270>は420.5円高で年初来高値を更新し値上がり率13位、同じくマツダは125 円高だった。

 電気機器セクターは業種別騰落率6位。9月に何度目かの「ソニーショック」が起きたソニー<6758>は4~9月中間期決算を発表し、売上高は6%増だったが営業損益は前年同期の494億円の黒字から157億円の赤字に転落し、最終損益も1091億円の赤字で前年同期の165億円から赤字幅が大幅拡大した。「PS4」の販売好調と円安をスマホの苦境が打ち消し、スマホ事業の営業権の減損損失として約1760億円を計上した。通期業績見通しは9月17日に発表した最終赤字2300億円、上場以来初の無配転落という衝撃の内容を据え置き。それでも売買代金10位に入り終値は229円高で年初来高値を更新し値上がり率17位。パナソニック<6752>の4~9月中間期決算は住宅用ソーラーシステム、カーナビのような車載関連事業など「住宅と自動車」が好調で売上高微増、営業利益21%だが、大幅増益の前年同期の反動で純利益は52%減。通期見通しは売上高微増、営業利益は3100億円を15%増の3500億円に、純利益は1400億円を45%増の1750億円に上方修正した。期末配当は引き続き未定。終値は78円高で年初来高値を更新した。

 この2銘柄とともに2年前は「巨額最終赤字三兄弟」だったシャープ<6753>は7円高。中間期でまだ赤字はソニーだけ。日立<6501>は19.9円高で年初来高値更新、東芝<6502>は8.9円高、NEC<6701>は7円高、富士通<6702>は19.7円高だった。

 TDK<6762>は、通期営業利益見通しを630億円に上方修正するとSMBC日興証券が目標株価を引き上げ550円高で年初来高値更新。日東電工はスマホ、自動車向け部品が好調で通期の営業利益を780億円から880億円に増額修正。中間配当と期末配当予想を50円から55円に増額。買いが先行して年初来高値を更新したがなぜか失速し97円安で終えた。オリンパス<7733>は4~9月中間期の最終利益を130億円から220億円へ大幅上方修正し210円高で年初来高値更新。マブチモーター<6592>は昼休みに1~9月期決算を発表し営業利益82%増、純利益46.8%増と好調だったが、12月期通期見通しを据え置いたため10円安だった。