ダイハツから“遊びのベース基地”がコンセプトの超背高ワゴン「ウェイク」登場

2014年11月14日 07:10

Daihatsu wake

写真は新型ウェイクのターボエンジン搭載の最上級グレード「G“SA”(2WD)」、価格は174.96万円

 11月10日、ダイハツが新型軽自動車「ウェイク」をリリースした。新型ウェイクは、昨秋の第43回東京モーターショーでコンセプトモデルとして披露された「DECA DECA(デカデカ)」で、ダイハツはこの9月29日に市販化を明らかにしていたモデルだ。「WAKUWAKU BOX」をデザインコンセプトに、同社のタントよりも背が高いトールワゴンの派生車種だ。「遊びのベース基地となるクルマ」だという新型は、確かに遊びクルマらしいスタイリング表現だ。同時に、ドライビングシートからの“見晴らしの良さ”と“軽自動車最大の室内空間”を主張する。

 キャンプ、釣り、登山、サイクリング、サーフィン、スキー&スノーボードという6種類のレジャーシーンにおける使い勝手を研究し開発したことで得たのは、大容量の荷室「ミラクルラゲージ」だ。最大1140×950×420mmの荷室空間に加え、最大320×640×380mm(2WD車)のアンダートランクが利用できる。このアンダートランクは2リットルペットボトルを21本積載できる、総容量約90Lの大容量ラゲッジとなっており、キャンプ道具などを余裕で収納・積載できるとしている。また、8グレードのうち最上位となる「G」および「G“SA”」グレードは2段調整式のデッキボードを標準装備しており、上下方向に自由度の高い収納が可能になる。

 搭載するパワーユニットは、最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルク6.1kgm(60Nm)/5200rpmのNAエンジンと、最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク9.4kgm(92Nm)/3200rpmのターボエンジンをラインアップする。トランスミッションは、すべてロックアップ機能付きトルコンを備えるCVTと組み合わせた。JC08モード燃費は、NA搭載の2WD車で25.4km/リッターからターボ車4WDの23.2km/リッターとなる。

 安全装備も充実している。VSC(ヴィークル・スタビリティ・コントロール/横滑り防止装置)とTRC(トラクションコントロール)を全車標準装備。各グレード上位の“SA”クラスにはスマートアシストも搭載し、前方の車両を検知して衝突を回避する「低速域衝突回避支援ブレーキ機能」、前方に障害物がある場合に急な誤発進を防ぐ「誤発進抑制制御機能」、信号待ちで前方車両が発進した際にお知らせする「先行車発進お知らせ機能」で安全運転を支援する。また、運転席と助手席デュアルSRSエアバッグに加え、車両側方からの衝撃にも対応するSRSサイドエアバッグも全車標準装備した。

 スリーサイズは、全長×全幅×全高3395×1475×1835mmで、全高が際立って高いディメンションだ。この背が高いボディが、同社が「ウルトラスペース」と呼ぶ軽自動車最大の室内空間を実現した。運転席の目線高さを1387mm(身長170cmのドライバーを想定)とし、高く広い視界でより多くの情報を得やすくした「ファインビジョン」環境が得られたわけだ。

 これだけ車高が高いと、軽自動車の全幅規制値では高速コーナリングや緊急回避ハンドリングなどに不安が残る。が、重心より上部の部品を軽量化し、タントと比較して全高は85mm高いものの、重心は10mmアップに抑えたという。フロントおよびリアダンパーのサイズアップと高剛性化、ウレタンバンプスプリングとスタビライザーの標準搭載などによってロールを抑え、操縦安定性と安心感のある乗り心地を実現したとも。しかしながら、軽自動車のトールワゴン全般が普及した今だからこそ言えることだが、どこかの公益法人などで欧州のような客観的な「エルクテスト(緊急回避レーンチェンジテスト)」を実施した方がいい時期に来ているように思う。

 ともかく、新型ウェイクは計8グレード。それぞれに2WD/4WD仕様をそろえ、価格は135万円~187万3800円。NAモデルは自動車取得税および重量税が免税、ターボモデルはそれぞれ80%減税、75%減税となる。(編集担当:吉田恒)