登録車新車販売、10月は本年4月に次ぐ大幅な前年割れを記録

2014年11月09日 13:54

AQUA

10月の国内乗用車販売で軽自動車の激しい追い上げを凌いだ、ハイブリッド専用車「トヨタ・アクア」

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した10月の乗用車新車販売台数(軽自動車を除く登録乗用車の速報値)統計によると、10月の新車販売台数(国産、輸入車の合計)は20万6683台で前年比88.7%にとどまった。これは本年4月の前年比88.2%に次ぐ大幅な落ち込みだ。7月にかろうじて前年実績比100.3%に達したものの、その後は前年実績を3カ月連続で割り込んだこととなる。消費増税による販売への影響が続き、そのマイナス幅は8月(5.0%減)や9月(2.8%減)に比べ拡大した。10月の乗用車販売内訳は、国産車が18万5571台(前年比88.4%)、輸入車2万1112台(前年比96.2%)だ。

 登録車主要メーカー・ブランド別乗用車販売で目立った数字を拾いあげると、ホンダが20.0%減の3万420台と昨年8月以来の前年割れとなった。昨年9月に小型車「フィット」のハイブリッド車(HV)を新たに投入して大きく販売を伸ばした反動が出た。トヨタ(ダイハツ、レクサスを除く)は12.1%減の10万0977台、日産は21.0%減の2万2480台と苦戦を強いられている。

 車種別では、普通乗用車が6.2%減の10万2415台。小型乗用車は15.7%減の10万4268台と落ち込みが大きかった。一方、商用車は普通・小型トラック合計3万2884台で前年比106.6%、バスは1万0366台で前年107.1%だった。

 自販連の説明によれば、昨年10月は、すでに一部人気車種で消費増税前の駆け込み需要が始まっており、反動が出た面もあるとみられるという。新車効果で好調な販売を記録しているマツダと富士重工業を除くメーカー各社の新車販売台数は9割を割り込み、各社とも苦戦しているという。今後、来年の3月まで、前年販売分の駆け込み需要が高水準となるため、マイナス幅はさらに大きくなる可能性がある。今後も厳しい販売環境が続く見通しだとしている。

 一方、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した10月の軽自動車販売台数は前年比99.3%の15万5997台だった。2カ月ぶりに前年実績を下回ったが、10月としては昨年に次ぐ高水準だった。登録車と軽自動車を合わせた10月の新車販売台数は前年比94.0%の39万6508台で、4カ月連続で前年実績を割り込んだ。

 なお、10月の登録車(乗用車)販売のトップ3は、1位がトヨタ・アクア(1万8031台/前年比90.2%)、以下ホンダ・フィット(1万3506台/同58.0%)、トヨタ・プリウス(1万3183台/63.1%)が続く。軽自動車のベスト3は、ダイハツ・タント(1万6237台/前年比282.7%)、ホンダN-BOX(1万3988台/前年比79.5%)、スズキ・ワゴンR(1万1900台/前年比101.3%)だった。つまり、全乗用車でトップは何とか登録車が踏ん張ったものの、2位&3位は軽自動車ということになる。(編集担当:吉田恒)