「妊娠高血圧症候群」や「早産」など妊婦特有の疾患、こうした疾患の予防や早期発見を行うべく、NTTドコモ<9437>と東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、共同研究を開始させるとの発表を19日に行った。
NTTドコモと東北大学東北メディカル・メガバンク機構の共同研究では、数百人規模の妊婦のゲノム情報や血中タンパク質などの体内物質の変化、日々の血圧、体温、体重、食事、睡眠、運動などのヘルスケアデータの3要素を組み合わせて情報解析を行う。これは世界でも初めての取り組みであるとのこと。また多くの妊婦に発症例が確認されていながら、発症原因については不明とされていた疾患についても、予防方法や早期発見方法を確立し、発症のメカニズムの解析にあたりたいとしている。
これまで「妊娠高血圧症候群」や「早産」などの環境要因調査は、半年から年1度程度、自己申告にて質問票に回答を記入してもらうという形で行われており、その頻度の少なさと精度が問題視されていた。しかしNTTドコモと東北大学東北メディカル・メガバンク機構の共同研究では、日々、ウェアラブル機器など様々なヘルスケアデバイスから客観的なヘルスケアデータを収集することにより、精度の高いデータの取得に努め、これまで問題視されていた部分についての解決をはかる。
共同研究は2014年11月19日~19年3月31日まで、東北大学で行われ、東北大学が持つゲノム解析や体内物質解析技術と、NTTドコモが持つモバイル・ヘルスケア技術を連携させることで、母子の健康確保に貢献するとしている。今年度は共同研究に向けての体制作りを行い、15年度より解析手法の検討を行い、その後、本格的な共同研究活動に入るという。またその共同研究によって得られた結果は、学会などで発表される予定だ。
ほかの病気とくらべて、妊婦疾患は発症メカニズムの解明が進んでいない。今回発表されたこの共同研究により、その予防方法や早期発見方法が確立されることを願いばかりである。(編集担当:滝川幸平)