4日に携帯電話大手3キャリアの2014年9月中間連結決算が出そろい、その結果、ソフトバンク<9984>とauのKDDI<9433>については、業績を大きく伸ばし増収または増収増益という結果であったが、しかしNTTドコモ<9437>については6月より開始した国内通話完全定額制サービス「カケホーダイ&パケあえる」の影響により通話料金収入が減少し、1社のみ減収減益となった。
それでは、契約者の獲得状況を表す「契約純増数(新規契約数から解約数を引いた数)」では、3キャリアそれぞれどういう結果だったのか。14年度上期(4~9月)の「契約純増数」では、4日に9月中間連結決算を発表したソフトバンクが、前年同期比約46万件マイナスの112万件、また31日に14年9月中間連結決算を発表したauのKDDIが前年同期比27万件マイナスの107万件、そして同じく31日に9月中間連結決算を発表したNTTドコモが、前年同期比の約5倍となる119万件という結果であった。NTTドコモがほか2キャリアを抑え、「契約純増数」首位を獲得した。しかし1位のNTTドコモと3位のKDDIまでの差はわずか12万件であり、NTTドコモにとっては決して予断を許さぬ状況だ。
このNTTドコモの「契約純増数」大幅アップの背景には、国内通話完全定額制サービス「カケホーダイ&パケあえる」により契約者数が増加したことと、また9月に発売された米アップルの新型iPhone「iPhone6」「iPhone6 Plus」が好調に推移したことなどがある。またNTTドコモについては、前年度末に1%にまで高まった解約率についても、0.62%と改善することとなった。
去年の4~9月期の「契約純増数」は、158万件のソフトバンクが首位であり、それにKDDIの133万件が続き、NTTドコモは23万件とソフトバンクに大きく差をつけられ最下位であった。しかしそれから1年後、その順位が大きく様変わりし、NTTドコモがソフトバンクから首位を奪った。しかし先ほども言った通り、1位から3位までの差はわずか12万件。いつその順位が入れ替わるともわからない状況だ。業績の面では負けを喫することとなったNTTドコモだが、首位となった「契約純増数」についても安心はできない状況だ。(編集担当:滝川幸平)