NTTドコモらが世界最高レベルの機械翻訳開発を発進

2014年11月04日 10:07

 機械翻訳技術の発展により、スマートフォン向けの翻訳アプリを活用した外国人との簡単なコミュニケーションや、翻訳ソフトウェアを利用したWEBサイトやビジネス文書等の簡易な翻訳が可能になってきている。今後、2020年までに外国人の来日、日本人の海外渡航や日本企業の海外展開がさらに増加することが見込まれており、日常会話だけでなく、契約書や社内文書など専門用語が多い文書の翻訳等、ビジネス分野においても様々な利用シーンで、異なる言語間におけるストレスのないコミュニケーションのニーズがさらに高まると思われる。

 しかし、特に英語から日本語への翻訳の場合、現在の翻訳アプリではまともな日本語に訳せないのが現状だ。このため、二度手間になることが多く、高校生レベルの英語の知識があれば、翻訳アプリを使わずに、そのまま自分で翻訳したほうが早い。

 NTTドコモ<9437>、韓国のSYSTRAN INTERNATIONAL、フュートレック<2468>は、世界最高レベルの機械翻訳精度をもつ翻訳技術の開発及びサービス提供を行うための合弁会社「株式会社みらい翻訳」を2014年10月に設立した。新会社では技術エンジニアの募集を行い、体制の充実を早期に図っていく方針だ。

 「はなして翻訳」のサービス提供実績を持つドコモ、翻訳ソフトウェア業界最大手のシストラン、音声認識・翻訳システムの開発に豊富な実績を持つフュートレックが合弁会社を設立することにより、高精度な機械翻訳技術・ソフトウェアを開発し、日本語を軸とした言語バリアフリーの世界の実現を目指す。新会社設立当初は英語、中国語、韓国語を中心に、将来的にはベトナム語、タイ語、インドネシア語等の言語も対象に、ソフトウェアやサービスを提供する。

 みらい翻訳は、総務省のグローバルコミュニケーション計画を推進する独立行政法人、情報通信研究機構(NICT)の多言語翻訳エンジン及び日本電信電話株式会社(NTT)の日本語解析処理に基づいた機械翻訳技術を併せて活用することにより、世界最高レベルの機械翻訳精度を目指す。

 合弁契約締結会社の出資金額及び出資比率は、資本金は9億9000万円で、ドコモ51.0%、シストラン 30.0%、フュートレック19.0%となる。(編集担当:慶尾六郎)