日本経済団体連合会の榊原定征会長は消費税の引き上げを18か月先送りし、平成29年4月からと安倍総理が決断したことについて「重たい決断だと受け止めている」とするとともに「国際社会からも延期に対して一定の理解を得られていると思う」と語った。
一方で榊原会長は「財政再建は国家的な重要課題で、国際社会も注視している。国内外に対するわが国の信認を高めるため、財政健全化の道筋を改めて明示する必要がある。2020年度の財政健全化目標を堅持し、来夏までに具体的な計画を策定するとしており、対応を見守りたい」と述べた。榊原会長は今年9月から政府の経済財政運営の司令塔を担う「経済財政諮問会議」のメンバーで、当然の見方といえそう。
また、アベノミクスについて「国民は将来への希望を持てるようになり、企業も成長への自信を取り戻してきている」とし「成長戦略の確実な実行がデフレ脱却、経済成長の実現につながる。経済界としても収益を拡大し、雇用の拡大、賃金の引き上げにつなげていく。それを可能とするため、政府には規制改革、法人税改革、エネルギー対策などの環境整備を求めたい」と労働法制の見直しや法人実効税率の引き下げ、原発再稼働など、これまで経団連が求めてきたことを早期実現するよう改めて求めていく考えを示した。(編集担当:森高龍二)