2年ほど前から問題となっている「歩きスマホ」。スマートフォンの画面に夢中になって歩くうち、視野が狭くなり、転んでケガをする、痴漢にあうなどの被害が報告されている。こうした事例をメディアが取り上げた効果もあるのか、「歩きスマホ」をする人は、昨年(2013年)から減少していることが分かった。
MMD研究所が今年11月、スマートフォンをもつ20歳以上の男女648人を対象に、「歩きスマホ」について調査したところ、「危ないと思う」が82.4%、「やや危ないと思う」が16.2%と、合わせて98.6%の人が「危ない」と考えている。一方、歩きスマホ経験の有無については、「日常的に操作している(7.3%)」「時々操作している(28.5%)」「ほとんど操作しない(37.3%)」も合わせると、73.1%が、頻度にばらつきはあるものの「歩きスマホ経験あり」との結果になった。うち35.8%は、よく「歩きスマホ」をしている人たちだ。
よく歩きスマホをしている人の割合を、2013年の調査と比べると、昨年は実に6割近くが「日常的に」または「時々」歩きスマホをしていたが、2014年は4割弱まで減っている。視野が狭くなる、人とぶつかりやすくなるなどの危険性が、広く知られるようになったためかもしれない。
しかし今回調査では、「歩きスマホ」をしたことがある人のうち、17.5%がぶつかったり怪我をしたりした経験あると答えており、昨年より8.7ポイント増えてしまった。ケガなどの経験があると回答した人に、その内容をいくつでも答えてもらったところ、66.3%が「人にぶつかった」、59%が「ものにぶつかった」と回答。「転んだ」も18.1%いる。全体として歩きスマホをする人は減ったものの、危険な目に遭う確率は、むしろ増えている可能性がある。
また、「歩きスマホ」をする人についてどう思うか尋ねた結果では、約95%の人が「迷惑だと思う」「時々、迷惑だと思う」と回答した。街頭マナーとして定着していないだけに、苛立つ人も多いようだ。こうした現状を受けて、「歩きスマホに規制が必要」と考える人は、全体の6割にのぼった。(編集担当:北条かや)