ニトリホールディングス<9843>は11月26日、関連社員に対し2014年度冬季の賞与を増額すると発表。対象となるのは、ニトリとホームロジスティクスの正社員と契約社員、約3,500人だ。総合職社員では一人当たり平均約20万円ほどの増額となる。
ニトリは上半期の業績が予想を超える伸びだったことを受け、売上の一部を従業員に還元するとした。従業員の会社への貢献が賞与として返ってくることで士気を高め、今後のさらなる業績向上へと繋げていくことがねらいだ。また、従業員の所得が増えることで消費喚起を促し、景気回復の一助になるよう期待が込められている。
ニトリの3-8月の売上高は2,108億4,400万円で、前年同期比12.9%の増加となった。営業利益は374億8,400万円で前年同期比20.4%増、経常利益は382億800万円で前年同期比24.0%増、当期利益は221億4,400万円で前年同期比24.3%増と好調だった。スマートフォンなどでポイントを貯められるよう、メンバーズカードのように使えるアプリを配信し、買い物の利便性を高めたことや、通信販売で送料無料サービスに乗り出したことが功を奏したようだ。
特にオンラインショッピングサイト「ニトリネット」の通販事業は急拡大しており、2010年の売上高は34億円、11年は54億円、12年で67億円、13年で84億円となっている。12年12月から一部地域を除いて7,000円以上の購入で送料を無料にし、さらに13年3月にはすべての地域を送料無料の対象に広げ、利用者の増加に繋げた。
4月には消費税が8%に増税されたこともあり、3月までの駆け込み需要の影響で売上高が伸びていた。下期に入っても好調を維持できるかが問題だったが、賞与増額という強気な姿勢にはこのまま勢いを保っていきたいという強い願いが込められているようだ。
しかし商品や原材料の8割を海外から輸入しているため、為替円安によるコスト増は免れない。16年2月期までの仕入れは101.20円で100%予約済みとのことだが、円安が長期に及ぶにつれ、厳しさは増してくる。今後はさらなるコストダウンを図りながら、海外へも積極的展開を図っていく方針だ。(編集担当:久保田雄城)