村田製作所が戸田建設社屋でCO2濃度センサを用いた実証実験を開始

2012年07月06日 11:00

 村田製作所が、換気量の最適制御(タスク&アンビエント換気システム)を検証するため、現在開発中のCO2濃度センサを用いた共同実証実験を戸田建設 技術研究所で開始したと発表。現在は、エアコンや冷蔵庫をはじめとした家電製品やビル空調向けの用途を想定して2013年秋頃量産開始を予定、将来的には、ビルエネルギー管理システム(BEMS)や農業分野への導入・展開を検討していく。

 現在、室内環境基準はビル管理衛生法にてCO2濃度1000ppm(室内中央床1.5m計測)と定められている。しかし現状の換気システムでは、人の増減に関係なく一定の換気を行っているため、人が少ない場合には余分に換気を行い、無駄な空調エネルギー費用が発生しているという問題があった。 この問題に対し、村田製作所は、各所のCO2濃度を測定することで「タスク&アンビエント換気システム」に貢献するCO2センサを開発。制御単位を小さくして換気が必要なところで必要な分だけ換気をすることで、より適切な換気と省エネを図ることができるという。

 現在までの実験結果では、CO2制御無しと有りとでは最大約30%の換気量の差があることが判明。消費電力にそのまま反映されるため、1万m2程度の事務所ビルであれば年間約10000kWhの省エネにつながるという。また、CO2濃度センサに誤差が生じた場合には最大で10%程度エネルギーのロスがあることも判明したとのこと。

 空調に関し、温度に関するセンサ技術や制御技術に関するものは多くが実用化されているものの、CO2に関しては活発でなかったと言えるであろう。今後、どういった開発が進み、実用化されるのか、注目に値するのではないだろうか。