日経平均終値でも年初来高値を余裕で達成

2012年12月27日 20:12

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27日の日経平均終値は10322.98円と年初来高値を更新した。

 二次安倍内閣は前日夜に発足。安倍晋三新首相は「経済再生に最優先で取り組む危機突破内閣」と紹介し、経済閣僚は財務大臣兼金融担当大臣の麻生太郎元首相に、茂木敏充経済産業大臣、甘利明経済再生担当大臣という顔ぶれ。就任記者会見での新閣僚のうっかり失言はなかった。クリスマス休暇が明けて再開したNY市場のダウ平均は、最初は高かったがクリスマス商戦の売上の伸び悩み、財政の崖問題が進展しないのを失望して結局24ドル安で3日続落した。朝方の為替レートはドル円は85円台後半だが、ユーロ円は113円台に乗せ、円安進行を背景にシカゴ、シンガポールの日経平均先物は10300円台をキープ。27日朝の東京市場は「3月27日の年初来高値10255.15円を今日、いよいよ更新できるか」という期待が高まった。

 その願いは、いきなりかなう。日経平均始値は64.90円高の10295.26円で、すぐ10300円台に乗せて、アジア市場の堅調も下支えになりずっと小動きで推移した。結局、今週は3日続伸の92.62円高の10322.98円と終値でも年初来高値を更新し、「掉尾の一振」によって大きな目標を達成した。TOPIX終値のほうは854.09で年初来高値872にまだ及ばない。東証1部の売買代金は1兆6416億円で、年間最少記録4605億円だった昨年の12月27日の約3.5倍に達した。これで連続11日間、1兆円を割り込んでいない。

 上がった業種は海運、証券、自動車、パルプ・紙、不動産、機械などで、下がった業種は電力、医薬品など。建設はさすがに上がりすぎたか下落業種に入った。相変わらず金融・証券は強く、売買高ランキング、売買代金ランキングで上位に入ったみずほ<<8411> 、野村HD<8604> 、三菱UFJ<8306>は揃って年初来高値を更新し、オリコ<8585>も続伸した。ファナック<6954>、NEC<6701>、安川電機<6506>も年初来高値更新。売買代金3位のトヨタ<7203>は100円高で3ケタ上昇。日産<7201>も買われた。自動飛行する防犯用小型監視ロボットを開発と発表したセコム<9735>は50円高。一方、キヤノン<7751>が売られ、シャープ<6753>は今日は売買が細って15円安で終値300円まで下げている。

 今日の主役は日本冶金工業<5480>という地味なステンレスメーカー。1866万株が売買され、20円高(+21.97%)で値上がり率1位に登場した。円安メリットを受ける輸出関連株だが、いわゆる「出遅れ株循環買い」のローテーションらしい。日本板硝子<5202>が15円高で株価を3ケタ110円に乗せて値上がり率で4位、売買高1億株以上で5位に入ったのも、終値166円のマツダ<7261>が1億株以上取引されて売買高4位に入ったのも、終値85円の第一中央汽船<9132>が値上がり率3位に入ったのも同じ流れと思われる。年末は個人投資家の低位株回転売買が活発になり「もちつき相場」と呼ばれている。(編集担当:寺尾淳)