2014年12月10日。スウェーデンのストックホルムでノーベル賞の授賞式が執り行われ、赤崎勇・名城大教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の日本人3氏が、「青色発光ダイオード(LED)の開発」で見事、物理学賞を受賞した。青色発光ダイオードが開発されたことで、世界の光は大きく進化した。まさにノーベル賞にふさわしい研究だといえるのではないだろうか。
そんな中、分野は違えども、「色」に関する大変興味深い研究報告が発表された。ロート製薬株式会社と堺化学工業は共同で新規化粧品原料の開発を行い、世界で初めて、紫外線を吸収して赤色光を発光する新規原料「トーンチェンジ パウダー(酸化(Al/Ca/マンガン))」の開発に成功した。さらに細胞実験により、赤色光の照射が血管拡張因子合成酵素の遺伝子発現を増加させることが明らかになった。この赤色光によって、血管拡張を介した血流増加や、皮膚色を明るくする効果が期待されるという。
たとえば、「トーンチェンジパウダー(酸化(Al/Ca/マンガン))」を化粧品に配合し顔面に使用した場合、顔色の改善や皮膚の血流改善が起こり、肌を美しく見せることが期待されるという。また、それだけでなく紫外線を味方につけるような効果を持つ新しい機能性化粧品への応用に発展することも期待されている。
ロート製薬は、1990年に日やけ止め市場に参入以来、業界でもいち早く紫外線による肌への影響と日やけ止めに関する研究を進めてきた。堺化学工業とのコラボも今回が初めてではなく、2006年に堺化学が独自開発した原料「スーパーUVカット成分」を2006年に業界で初めて採用するなど、お互いの信頼も深い。
肌が美しく見えて、尚且つ紫外線対策も施されたものとなると、世の女性たちが放ってはおかないだろう。今後の商品展開とさらなる研究成果に期待したいところだ。(編集担当:藤原伊織)