リクルートワークス研究所は12月11日、2016年卒の大学生・大学院生の新卒採用の見通し調査の結果を発表した。「増える」としたのは14.0%で、「減る」が5.3%となった。前年度の調査よりも「増える」という回答が0.7ポイント増加し、「減る」は0.2ポイント減で、企業の採用意欲が上昇している傾向が明らかとなった。調査は従業員が5人以上の規模となる企業を対象に、4,618社の回答から集計した(回収率67.1%)。調査機関は今年10?11月。
従業員規模別に見た場合、「増える」という回答は5,000人以上の企業で21.5%、2,000人~4,999人で18.7%、1,000~1,999人で14.8%、300人~999人で17.9%、100~299人で11.0%、5~99人では6.7%だった。従業員数が多い会社ほど、採用が積極的になりそうだ。
業種別でみると、「増える」という回答の割合が多かったのは飲食サービス業で25.0%、小売業で20.8%、建設業で19.4%、情報通信業で19.0%、精密機械器具の製造で18.8%、労働金庫・信用金庫・信用組合で17.5%だった。
大学生・大学院生の新卒採用の見通しは、5年連続で「増える」のポイントが「減る」を超えている。採用が増える見込みの大きい業種は離職率が高い傾向にもあるが、全体的にみても採用状況は学生にとって有利な方向へと移りつつある。何よりここ数年で人手不足が顕著に表れており、今後ますます、企業にとって人材確保は大きな問題となってくるだろう。
同調査では15年度の中途採用の見通しについても質問しており、「増える」と回答したのは13.0%で、前年度から2.3ポイント上昇した。少子高齢化により、近年、労働人口は減少し続けている。中には、人材募集をかけても思うように応募が集まらないという企業もあり、人手不足は深刻だ。企業によっては採用基準を緩和し、これまでは「経験3年以上」という条件を掲げていたところでも、「未経験可」とするなど、応募者への間口を広げて対応している。(編集担当:久保田雄城)