高校生の就職活動解禁日である9月16日を迎え、来春卒業予定の高校生の企業選考などがスタートした。職場見学などは7、8月頃から、応募は9月5日から行われているが、実質的な面接などは、公平性を保つことや学業の優先を考え9月16日からのスタートとなっている。
高校生の就職活動解禁日である9月16日を迎え、来春卒業予定の高校生の企業選考などがスタートした。職場見学などは7、8月頃から、応募は9月5日から行われているが、実質的な面接などは、公平性を保つことや学業の優先を考え9月16日からのスタートとなっている。
高卒者の2013年度就職率は96.6%で、バブル期以来の高水準となっている。同年の大卒者の就職率は94.4%で、10年度から4年連続で高卒者が大卒者を上回っている。これもここ十数年なかった状況だ。リーマンショックがあり、09年度は急落しているものの、そこから順調に回復し、毎年1月時点での内定率も同様に上昇している。
特に今年は景気回復傾向の兆しもあり、企業側の採用意欲も高まっている。中でも製造業は景気回復による受注増を受け、高卒求人の大幅拡大を予定しているようだ。新日鉄住金〈5401〉は前年比8割増の600人、マツダ〈7261〉は前年比6割増250人の採用を予定していると発表した。高校生にとっては、今年の就活は絶好の売り手市場となっていると言えるだろう。
企業側が若い求人を増やしている理由には、景気回復以外にも理由がある。それは、技術伝承の問題だ。バブル経済終了以降、長い不景気で求人を控えていたため、多くの企業で20代から30代の人材がすっぽりと抜けてしまっている。特に製造業などの技術職は、職人の技を若い世代に伝えなくては、最大の売りである技術力が失われてしまう恐れがある。好景気になりつつあるタイミングで、若い高卒者を多く採用し、現場にまだベテランがいる内に、伝統技術を教え込みたいという考えがあるのだろう。
一方、製造大手などが求人を増加したため、逆に中小企業は求人をかけてもなかなか集まらずに苦しんでいる側面もあるようだ。中でも小売りや建設といった、労働環境のきついイメージのあるところは避けられ、説明会などにもなかなか人が集まらない現実もある。
バブル期に入社した世代ももう40代後半にさしかかっている。若い世代の大量雇用で、新陳代謝を図る企業も多いだろう。育てる側の人材・体力があるうちに、世代交代をスムーズに行って、企業・経済全体の活性化につなげたいところだ。(編集担当:久保田雄城)