ホンダのスーパースポーツ「NSX」が間もなく開催されるデトロイト・オートショーで発表となる。ホンダの正式なコメントは「あくまでも市販化に向けたプロトタイプ」というが、事実上の最終的な市販モデルと呼べる仕上がりとなっているはずだ。
3.5リッターV型6気筒DOHCターボエンジン+ハイブリッドというパワーユニットを搭載するNSXの開発が明らかにされたのは、2010年秋だった。翌、2011年にホンダの伊東孝紳社長が、新型NSXを開発していることを正式に発表し、2012年のデトロイト・オートショーで「アキュラNSXコンセプト」を初めて展示した。このコンセプトモデルがV6エンジンをミッドシップ搭載し後輪を駆動、さらに2つのモーターが前輪を駆動するスポーツハイブリッドSH-AWD(スーパーハンドリング全輪駆動)となることが明らかになった。
1990年9月にデビューした初代NSXは、「世界に通用するHondaの顔を持ちたい」との願いから開発されたモデルで、2005年までモデルチェンジすることなしに生産されたスポーツカーだ。その生産終了後、何度となく次期NSXの噂が伝えられ、そのなかには5リッターV10エンジン搭載車の開発が進み、販売を目標にしたモデル開発が確定したとの報道もあった。
しかし、2008年のリーマンショックの影響で、状況は一変する。F1GPからの撤退と、V10-NSX開発が白紙撤回となる。NSX開発チームは即座に解散、それぞれ別の部署に異動した。
そのホンダ・スポーツであるNSXが復活する。V10-NSXの開発で得られたノウハウとは別だが、新時代の確かなホンダ・スポーツが生まれる。V10-NSX白紙撤回から5年を経た2013年、米オハイオ州に新型NSX生産工場が完成し、開発を進めてきたモデルが、1月12日デトロイトショーでプレスに向けてお披露目となる。
2013年には米インディーレースの前座としてプロトタイプのNSXがデモ走行した。その年の東京モーターショーでも試作車が展示された。(編集担当:吉田恒)