民主党の岡田克也代表は26日の代議士会で、同日から始まった通常国会への受け止めについて「この国会は本当に大事な国会」との認識を強調し「経済、国民生活、安全保障、戦後70年談話の問題など課題山積」としたうえで「われわれが政権をとったときにはこうするということを常に念頭に置きながら、対案を示し、しっかりとした厳しい議論をしていく」と政権奪還を意識した姿勢で国会論戦に挑む決意を示した。
また、25日のNHK番組で、安倍晋三総理が8月に発表する戦後70年の談話について「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍内閣としてどう考えているかという観点から談話を出したい」と語って、日本の政府がさきの戦争での歴史感の中で「植民地支配と侵略」「こころからのお詫び」を表明してきた村山談話などでの文言を使わない意向を示したことに「私は、日本が誤ったメッセージを送ることになりかねないと思っている」と改めて強い懸念を示した。
安倍総理の70年談話にかかわる発言に対しては、同じ与党の公明党・山口那津男代表も「キーワードは極めて大きな意味を持っている。それを尊重し、意味が伝わるものにしなければならない」と慎重な対応を求めた。
村山談話に盛り込まれた「植民地支配」や「侵略」の文言は日本政府が日本の歴史の反省の中で、事実を直視し、端的に表現した文言で、最も使いたくない文言をあえて使用し、歴史認識と日本政府としての反省を表明したものだけに、その文言が自虐的だなどと内容をごまかし、歴史を客観的視点でなく、自国の視点で正当化する表現にすれば、近隣諸国だけでなく、日米関係はじめ世界から日本への信用は失墜することになろう。過去の過ちは過ちとしてこれを誠実に引き継ぎ、そのうえで未来にむけた歩みを発信することが望まれている。(編集担当:森高龍二)