過去の歴史への反省うたい込むように求める

2015年01月06日 10:40

 安倍晋三総理は戦後70年の節目に当たる談話発表に向けて「村山談話を含め歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」考えを示しているが、社会民主党の吉田忠智党首は「総理大臣談話で村山談話をしっかり継承し、過去の侵略や植民地支配の反省をうたい込むように訴えていきたい」と談話の中に、村山談話が反映されるよう総理に求めていく考えを示した。

 吉田党首は「戦後70年、今こそ平和国家としての日本の歩みや憲法9条(戦争の放棄)が果たしてきた役割をかみしめなければならない」と語った。

 安倍総理は「安倍政権として、先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、そして今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のために、どのような貢献を果たしていくのか。世界に発信できるようなものを、英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく」と談話の重点を先の大戦への反省を踏まえ、平和国家として世界に貢献することに置く意向を示している。歴史認識を踏まえた総理談話は韓国、中国、米国はもとより、世界各国が注目することになりそう。

 戦後50年にあたって当時の村山富市総理が発信した談話は「遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」としたうえで「この歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省の意を表し、お詫びの気持ちを表明する」としたうえで「わが国は深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければならない。同時に、唯一の被爆国としての体験を踏まえ、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要」として、平和国家として世界平和への取り組み姿勢を示した内容になっていた。(編集担当:森高龍二)