【今週の振返り】日中値幅は大きくても結局25円小幅安の週

2015年02月07日 20:09

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3日の日中値幅は382円、4日は208円、平均で198円という激動のザラ場。それでも週間騰落小幅安なのは予定調和か?

 2日の日経平均は反落したが終値では17500円台をしっかり確保した。前週末のNYダウは、原油先物市場は反発しても10~12月のGDPが市場予測の+3.0%を下回る+2.6%と悪かったため251ドル安で、為替レートもドル円が117円台前半まで円高が進行。日経平均も17536円で始まった後、20分ほどでCME先物清算値の17500円を割り込む。それでも日銀のETF買い期待や主要企業の好決算期待で下げ渋り、17500円を下回った時間は短かった。前場で17600円に一時タッチ。1日発表の中国の製造業PMIが50を割り込む低調で上海市場が5日続落しても後場は17600円台に乗せて再開。ザラ場中に17628円まで上昇し、その後は下落幅をひろげても底堅い展開。TOPIXも1400台をほぼキープしていた。

 日経平均終値は116.35円安の17558.04円、TOPIX終値は-6.32の1408.75。売買高は22億株、売買代金は2兆2944億円。値上がり銘柄数は530、値下がり銘柄数は1236。上昇セクターは陸運、医薬品、石油・石炭、輸送用機器、卸売など7業種、下落セクターはガラス・土石、空運、保険、ゴム製品、食料品、水産・農林、建設など26業種だった。

 3日の日経平均は大幅続落。ISM製造業景況感指数が市場予測を下回りNYダウは安く始まったが、原油先物市場の持ち直しで終盤買い戻され196ドル高。日経平均も17654円とやや高く始まったが、前週よく見られた「寄り安」と反対の「寄り高(寄り天)」で下落していく。しばらくは17600円台の小幅高の水準で持ちこたえるが、午前9時40分頃から為替の円高を伴うゲリラ急落に襲われ、5分ほどで17600円も17550円もあっさり割り込みマイナスまで落ちる。需給の状況は決して良くない。17500円も割り込み11時1分には17479円まで下落するが、それでも前引けでは17500円台に乗せていた。

 後場、オーストラリア中央銀行が予想外の0.25%の利下げを実施。さらに10年国債の入札が応札倍率2.68倍といつになく不調で債券先物と日経平均先物が同時に仕掛け売りされるゲリラ急落第2号が勃発。長期金利は急騰し、日経平均は25日移動平均線の17377円も下回り午後1時4分に17357円まで下げる展開。その後もドル円が116円台の円高に振れると1時42分に17315円まで下げ、2時台に入ると17300円台も陥落し2時32分に287円安の17271円の安値をつける。終盤はドル円が117円台に戻り、日経平均も少し持ち直し17300円台に戻して終えた。

 日経平均終値は222.19円安の17335.85円、TOPIX終値は-16.36の1392.39。売買高は27億株、売買代金は2兆6958億円。値上がり銘柄数は334、値下がり銘柄数は1454 。上昇は鉱業、石油・石炭、その他金融、パルプ・紙、卸売の5業種。下落は空運、海運、ゴム製品、陸運、化学工業、電気・ガス、食料品、精密機器など28業種だった。

 4日の日経平均は大幅反発。ギリシャの債務問題が解決の方向に動き始めヨーロッパ市場は軒並みプラスに。NY原油先物市場が4日続伸して1バレル50ドルの節目を超えNYダウが大幅続伸するなど外部環境が好転をみせた。東京市場も前日の大幅下落を受けた押し目買いが入って日経平均は前日終値比で200円以上高く始まる。9時台のうちに17600円台に乗せた後も安定した買いが続き、後場の取引開始早々の午後0時30分には17743円まで上昇する。後場は上値が抑えられ気味になるが急落を起こすことはなく17600円台を維持し時々17700円にタッチする展開で、高値圏のまま大引けになった。

 日経平均終値は342.89円高の17678.74円、TOPIX終値は+24.61の1417.00。売買高は27億株、売買代金は2兆8072億円。値上がり銘柄数は1542、値下がり銘柄数は250。上昇セクターは保険、その他金融、倉庫、鉄鋼、卸売、銀行、鉱業など31業種。下落セクターは水産・農林、パルプ・紙の2業種だった。

 5日の日経平均は反落。ECB(欧州中央銀行)がギリシャ国債を担保とする融資に関する特例措置の解除を発表してデフォルトリスクが再燃。それまで高かったNYダウは3日続伸したものの終盤に6.62ドル高まで上げ幅を圧縮し、NASDAQ総合指数とS&P500は下落。為替のドル円も117円台前半まで円高が進んだ。日経平均は17600円を割って始まり、リスクオフで終始マイナス圏。17600円台は序盤に一時タッチしただけで午前10時を回ると17500円も割り込んで10時12分に17484円まで下げる。前場はその後も17500円をたびたび割り込む。上海市場が上昇し30年国債の入札も順調で、後場は午後0時台に17600円に瞬間タッチする場面もあり、おおむね17500円台前半で推移し底堅い。通期見通しの営業黒字化のソニー<6758>が一時ストップ高で昨年来高値更新、営業減益の日立<6501>が大幅安で値下がり率2位と決算への反応がオーバーで投資家心理は安定せず、終盤に再び17500円を割ったが、大引けではかろうじて17500円台で終えた。

 日経平均終値は174.12円安の17504.62円、TOPIX終値は-6.89の1410.11。売買高は26億株、売買代金は2兆8515億円で今年最多。値上がり銘柄数は570、値下がり銘柄数は1174。上昇したのは不動産、その他金融、金属製品、銀行、パルプ・紙など7業種。下落したのは鉱業、繊維、機械、倉庫、非鉄金属、陸運など26業種だった。

 6日の日経平均は反発。原油先物市場が反発しNYダウが211ドル高など外部環境が引き続き改善し前日終値より191円高い17696円で始まり、午前9時3分にいったん17700円にタッチするものの、買い一巡後は大引けまで17600円台で推移する。10時台は17650円前後のもみあいだったが11時台はやや下落し、11時28分に17603円の安値をつけて前引けは17606円と17600円割れの寸前で踏みとどまる。後場は高寄りして再び17650円前後のもみあいに戻る。決算発表が相次いで個別物色は盛んでも、夜のアメリカ雇用統計発表待ちの様子見で上値は重い。利益確定売りの金曜日で終盤はいったん値を下げるが、大引けでは17650円付近まで上げて終えた。

 日経平均終値は143.88円高の17648.50円、TOPIX終値は+7.08の1417.19。売買高は22億株、売買代金は2兆3933億円。値上がり銘柄数は1020、値下がり銘柄数は704。不動産、鉄鋼、その他金融、石油・石炭、金属製品、繊維、銀行など22業種が上昇し、水産、保険、空運、ゴム製品、食料品など11業種が下落した。

 2月第1週は2勝3敗。前週末1月30日の終値から25.89円下落し、3週間ぶりのマイナスで今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)