前週末12日のNYダウは30種全滅で315ドルの大幅安。300ドルを超える下落は約2ヵ月ぶり。終値17280ドルはほぼ1ヵ月半ぶりの安値。NASDAQ総合指数は54ポイント下落。要因はNYMEXのWTI原油先物が1バレル57ドル台まで下落したことで、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予測より良かったことによる序盤のプラスを打ち消した。15日朝方の為替レートはドル円が118円台前半、ユーロ円が147円台前半で、ドル安円高が進行していた。
14日が投開票日の衆議院総選挙の結果、獲得議席数は自民党291、公明党35で与党は326と、法案が参議院で否決されても衆議院で再可決できる3分の2を超えた。取引時間前に12月調査の日銀短観が発表され、大企業製造業の現状判断は+12ポイントで9月調査から1ポイント下がり2期ぶりに悪化した。総選挙の結果は、与党は圧勝しても自民党が報道各社の予測の300議席に届かなかった。それがどう影響するか注目の日経平均は260.09円安の17111.49円でCME清算値を下回って始まる。TOPIXも1400台に戻れず反落してスタート。開始後まもなく、オーストラリアのシドニーでイスラム過激派とみられるテロリストが銃を持ってカフェにたてこもる事件の第一報。南半球から地政学的リスクまで飛び出し午前9時13分に17037円まで下げ、12日終値に比べ一時300円を超える下落を喫した。そこからV字回復して9時45分には17258円の高値をつけるが、押し目買いもその先が続かない。上海も香港もマイナスで始まる。日経平均も水準を下げて11時台は17100円台に。前引けは17144円だった。
後場はほぼ前引け水準で再開。一時的に17200円台を回復しても押し下げられて弱々しい値動き。1時台になるとジリジリ下げる。11月の首都圏・近畿圏新規マンション市場動向が発表され、首都圏は前年同月比33.3%減、近畿圏は10.9%増。終盤は17100円も割り込んで、終値は272.18円安の17099.40円で反落。日中値幅は221円。TOPIXも-20.36の1379.29と反落した。売買高は21億株、売買代金は2兆2602億円だった。
プラスセクターは鉱業、小売業。マイナスセクターで下落幅が小さいのは食料品、水産・農林、石油・石炭、陸運など。大きいのは輸送用機器、保険、空運、ガラス・土石、電気・ガス、機械などだった。
15日のNYダウは99ドル安、NASDAQは48ポイント下落した。鉱工業生産指数は良かったが、NY原油先物市場が1バレル55ドル台まで下落してはとてもかなわない。石油産出国のロシアやインドネシア、メキシコの通貨は大幅に下落。ロシアからは通貨ルーブル防衛のために10.5%から17.0%に利上げするニュースまで入った。中国の景気減速懸念、ギリシャの大統領選挙、FOMCの利上げ時期をめぐる思惑も加わって、リスクオフが世界をおおう。16日朝方の為替レートはドル円が117円台後半、ユーロ円が146円台後半で、円高の流れは止まらない。
日経平均は236.98円安の16862.42円と11月17日以来、1ヵ月ぶりに17000円を割り込んで始まる。TOPIXも大幅下落でスタート。午前9時7分に16895円の高値をつけるが16900円にはタッチできず、逆に10時台には一時16800円割れ。10時45分に中国のHSBC製造業PMIが発表され、49.5で7ヵ月ぶりに好・不況の節目の50を下回った。市場予測の49.8より悪く、香港ハンセン指数はマイナス幅をひろげたが上海総合指数は一時的な下落をのみ込んでプラスに。日経平均は一段安し、前引けは16774円だった。
昼休みにドル円117円台前半、ユーロ円146円台前半まで円高が進行。後場は少し下げて再開。午後1時2分に16714円の安値をつける。その後一時的に16800円台にタッチする場面もあるが長続きせず、終盤に前日同様売り込まれ終値は344.08円安の16755.32円で大幅続落。日中値幅は181円。TOPIXも-25.92の1353.37と大幅続落。売買高は24億株、売買代金は2兆5568億円だった。
全業種マイナスで、下落幅が小さいのは陸運、空運、保険、電気・ガス、金属製品、サービスなど。大きいのはその他金融、食料品、海運、卸売、精密機器、その他製品など。
16日のNYダウは111ドルの大幅安で3日続落。NASDAQは57ポイント下落した。上海、フランクフルト、パリ、ロンドンの株価が上昇。NYは午前中に246ドル高まで上がり午後もなんとかプラスを維持したが、終盤に無残に売り込まれた。原油先物価格は5日ぶりに下げ止まったが、ロシアの通貨ルーブル安は中銀の大幅利上げも効果薄く一時1ドル80ルーブル台にタッチし新興国の通貨安はブラジルのレアルなどにも拡大。17日朝方の為替レートは、ドル円が116円台半ば、ユーロ円が145円台後半と円高が進行した。
取引時間前に11月の貿易統計が発表され、貿易収支は29ヵ月連続の8919億円の赤字だが市場予測の9900億円は下回った。日経平均は65.98円安の16689.34円で始まる。TOPIXも下落してスタート。しかし序盤は下げ幅を圧縮して午前9時13分に今週初めてのプラスにタッチ。TOPIXも続いた。続いて9時台前半のうちに16800円にもタッチする。9時台後半にはマイナスまで押し戻されるが、V字回復して10時3分に16891円と16900円に迫る。ドル円も117円にタッチしていた。上海市場はプラスで始まるがすぐにマイナスに。香港市場は5日続落でスタート。それでも日経平均は16840円前後で小動きして安定する。11時台に変動幅をひろげてもプラス圏の16800円台をほぼ維持し、前引けは16825円だった。
後場はやや低く再開し、ドル円が再び117円にタッチすると午後0時台のうちに16900円に再接近するが前場の高値は超えられない。1時台は徐々に下落し16800円近辺で小動きする。プラス圏ではありながらFOMCの結果発表、日銀会合を前にして上値を抑えられ、2ケタ高のまま時間が進行。2時台に突然、先物売りを仕掛けられて下落してもただちに修復する底堅さ。終盤は16850円付近まで上昇するが大引けで足を引っ張られ、終値は64.41円高の16819.73円で3日ぶりに反発。日中値幅は219円。しかしTOPIXは-1.36の1352.01と3日続落した。売買高は24億株、売買代金は2兆6033億円だった。
プラスセクター上位は鉱業、パルプ・紙、石油・石炭、ゴム製品、鉄鋼、ガラス・土石など。マイナスセクター下位は食料品、空運、陸運、化学工業、不動産、医薬品など。
17日のNYダウは288ドル高と4日ぶりに大幅反発した。NASDAQも96ポイントの大幅上昇だった。注目のFOMCの声明文は利上げまで「considerable time(相当の期間をおく)」の表現そのままに、経済情勢の好転を「be patient(辛抱強く待つ)」という表現が付け加えられた。マーケットでは「FOMCは景気に配慮した」「利上げは遠のいた」と解釈され、発表後一気に100ドルを超える上昇をみせる場面もあった。イエレンFRB議長は記者会見で「利上げは4月以降」と示唆。原油先物の反発は弱々しいものの新興国の通貨安はルーブルが対ドルでようやく安定・回復の兆しをみせた。18日朝方の為替レートは、ドル円は118円台後半、ユーロ円は146円台半ばで、円買いの動きは収まっていた。