【今週の振返り】データ通り白星街道で460円上昇したSQ前週

2014年12月06日 20:18

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ムーディーズやECBのせいで前場でマイナスに沈もうと、東京市場には「日銀砲」という強い味方があったのだ。

 前週末11月28日のアメリカ市場は午後1時までの短縮取引。NYダウは65ドル高まで上昇したが結局0.49ドル高の小幅高。それでも史上最高値更新。NASDAQ総合指数は4.31ポイント上昇し6日続伸。1日朝方の為替レートはドル円118円台後半、ユーロ円148円近辺まで円安が進行した。

 7~9月期の法人企業統計の設備投資額は+5.5%で、4~6月期の+3.0%から上昇幅拡大。8日発表の7~9月GDP改定値が上方修正される可能性も出てきた。12月の日経平均は15.25円高の17475.10円で始まり、1分後に17500円にタッチする。TOPIXもプラスで、心配されていた法人企業統計の数字が良かったおかげで師走相場は上々のスタート。序盤はどんどん高値を取り、ザラ場中の年初来高値17520円も11月の「まぼろしのSQ値」17549円も一気に突破し午前9時15分には17573円まで上昇する。9時20分頃には17600円を突破し、9時39分に17649円の高値をつけた。40分足らずで一気に174円急騰し7年4ヵ月ぶりの年初来高値を更新。10時に中国の製造業PMIが発表され50.3で10月に比べ0.5ポイント低く、市場予測の50.5も下回り2ヵ月連続の低下。日経平均は17600円を割り込む反応をみせたがアッという間に回復。原油安を背景にドル高円安が進行しドル円は一時119円にタッチした。上海市場は8日続伸で始まるが、前夜、デモ隊が香港政庁庁舎を包囲し警官隊と激しく衝突した香港市場はマイナスで始まる。日経平均は17600円台前半の水準を維持し、前引けは17601円だった。

 後場の午後0時台は前場の続きだったが、17600円台を守りきれず1時11分に割り込んでしまう。為替が動かなくても高値圏で利益確定売りで崩れやすい。しかし下げても1時台は17550円あたりまで。2時台には17550円も割り込むが、朝に突破した11月SQ値が今度はサポートラインに変身し2時台後半は値を戻す。終盤は17600円に接近するが突破は果たせず、終値は130.25円高の17590.10円と続伸し終値でも年初来高値更新。日中値幅は175円。TOPIXも+11.31の1421.65で年初来高値を更新した。売買高は20億株、売買代金は2兆1972億円だった。

 プラス上位は空運、保険、その他製品、精密機器、輸送用機器、ゴム製品など。マイナスは鉱業、非鉄金属、石油・石炭、その他金融、卸売、情報・通信だった。

 週明け1日のNYダウは51ドル安。NASDAQは64ポイント下落した。年末商戦は全米小売業協会(NRF)による11月27日~30日の4日間の集計が発表され11.3%の2ケタ減。しかしISM製造業景況指数が市場予測を上回ったおかげで101ドル安止まりで株価の大崩れは避けられた。ムーディーズの日本国債の格付けが「Aa3」から「A1」に格下げされ、ドル円は119円台と117円台の間で乱高下し、日経平均先物は大証夜間取引で17400円まで急落したがCME先物清算値は17535円。2日朝方の為替レートはドル円118円台前半、ユーロ円は147円台半ばで円高の進行は1円未満にとどまった。

 総選挙公示日の日経平均は109.04円安の17481.06円で始まる。TOPIXもマイナス。利益確定売りで午前9時1分に17476円の安値をつけた後、前場は下げ幅を圧縮し、「ムーディーズ国債格下げショック」を徐々に癒すかのよう。17550円近辺まで上昇して10時30分に10月の毎月勤労統計調査の結果が発表され、現金給与総額は0.5%増で8ヵ月連続プラス、物価変動分を差し引いた実質賃金は2.8%減で16ヵ月連続マイナス。上海も香港もプラスでスタートするとさらに一段高になり前日終値17590円に接近。10時48分に前場の高値17587円をつけたが、その後はプラスになれないまま前引けは17586円。

 後場は17610円台に乗せてプラスで再開する。為替は少し円安方向に振れていた。0時36分に17647円まで上昇してピークをつけるが前日の年初来高値は更新できない。1時前に17600円近辺まで下げ小幅高の水準で横ばい。そこから離れたのは1時40分頃で、2時台になると17649円の年初来高値を更新し、終盤はさらに上の17700円を目指す。これぞ「日銀砲」の効果。2時55分に17687円まで上昇したがそこで待ったがかかり、終値は73.12円高の17663.22円で3日続伸し終値ベースでも年初来高値を更新した。日中値幅は211円。TOPIXも+6.20の1427.85で年初来高値更新。売買高は20億株、売買代金は2兆1747億円。

 プラスセクター上位は鉱業、精密機器、輸送用機器、石油・石炭、保険、水産・農林など。マイナスセクター下位はその他製品、食料品、不動産、陸運、銀行、サービスなど。

 2日のNYダウは102ドル高で終値ベースの史上最高値更新。NASDAQも28ポイント上昇した。ECB理事会を前に追加金融緩和期待でヨーロッパ株が高く、10月の建設支出が市場予測を上回り、さらに大型M&Aの話題がマーケットを刺激した。3日朝方の為替レートはドル円が119円台前半、ユーロ円が147円台後半で、円安がさらに進行した。

 日経平均は108.93円高の17772.15円で開始しTOPIXもプラスで始まる。序盤は安定しながら17000円台後半で推移。午前9時40分頃から先物主導で上昇開始。17800円をあっさり突破し9時台のうちに17850円を超え、10時4分に17881円の高値をつける。しかし10時台は上海も香港もプラスでスタートするが17800円に向かって徐々に下げていく。11時台に少しだけ上昇して前引けは17845円だった。

 後場は少し安く再開し17800円を一時割り込むが、すぐ戻して底堅い。だがそれも午後0時台限りで、1時を回ると17800円を大きく割り込む。小惑星探査機「はやぶさ2」が種子島宇宙センターから無事打ち上げられた。ほぼ同時に日経平均も1時20分の17731円で底を打って反発上昇するが17800円まで戻れない。1時台はまだ17000円台後半で踏ん張っていたが、ドル円が119円台を維持しながら円高方向に戻したので2時台は大きく下げ、17000円も一時割り込み2時11分に17696円まで下落。終盤には再び軟化し、終値は57.21円高の17720.43円。4日続伸し年初来高値を更新しても尻すぼみでローソク足は陰線(黒)。日中値幅は185円。TOPIXも+1.90の1429.75で年初来高値更新。売買高は25億株、売買代金は2兆6886億円だった。

 プラスセクター上位は鉄鋼、証券、繊維、精密機器、空運、非鉄金属など。マイナスセクター下位はパルプ・紙、陸運、保険、医薬品、情報・通信、卸売などだった。