国内生保会社の決算出そろう。首位は第一生命

2015年02月16日 08:21

EN-c_215

国内大手生命保険会社の2014年4~12月期の決算が、13日に出そろう形となった。それによれば、売上高にあたる保険料収入において、第一生命保険が日本生命保険を上回りトップとなった。

 国内大手生命保険会社の2014年4~12月期の決算が、13日に出そろう形となった。それによれば、売上高にあたる保険料収入において、第一生命保険<8750>が日本生命保険を上回りトップとなった。第一生命保険の保険料は3兆9460億円で、日本生命保険の保険料が3兆6830億円という結果であり、第一生命保険は14年9月中間決算の時に戦後初めて日本生命保険を上回ったが、今回もそのままトップをキープすることとなった。

 国内大手生命保険会社の残り2社、明治安田生命保険、住友生命保険の保険料は、明治安田生命保険が2兆5666億円、住友生命保険が1兆8955億円という結果であった。そして各社の保険料の前年同期比は、第一生命保険が前年同期比25.1%アップ、日本生命保険が4.5%アップ、明治安田生命保険が前年同期比7.2%ダウン、住友生命保険が前年同期比1.6%アップという結果であり、明治安田生命保険以外の3社が前年同期を上回った。なかでも、14年9月期中間決算に引き続きトップとなった第一生命保険は、子会社である「第一フロンティア生命」を通じて販売した外貨建ての一時払い年金が好調に推移した結果、保険料を大きく伸ばした。

 こうして国内大手生命保険会社3社が前年同期を上回ることとなった要因は、15年1月より増税された相続税に対応した生命保険の契約が増えたことだ。子供や孫への生前贈与資金を使った年金保険や終身保険の契約数が増加しており、税金がかからない基礎控除分(年110万円)を生前贈与し、受け取った子供や孫がそのお金で保険に加入、そして満期後、あるいは生前贈与した祖父母や父母が死亡した時に保険金を受け取ることができる。生前贈与資金を使った年金保険や終身保険の契約数は、日本生命保険で前年同期より3割増えて1万4000件で、ほかの3社でも同様の保険の契約数は伸びている。

 明治安田生命保険が前年同期を下回ったものの、しかし各社とも好調な決算であったと言える。しかし保険契約を通じて契約者から預かった保険料の運用については、それぞれ苦戦を強いられている。主な運用先である日本国債は低金利が続いているため、各社は外国国債券の配分を増加させるなどの対応を行っている。(編集担当:滝川幸平)