アサヒ、「マッサン」効果により増収増益

2015年02月15日 09:34

 2013年に放送されたNHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」以来、同番組で新しいドラマが放送されるたびに、大きな話題となり続けている。それは今放送されている、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝をモデルとした「マッサン」についても同様で、多くの視聴者が毎朝ドラマの展開に釘付けとなり、また視聴率の上がり下がりがニュースに取り上げられ世間を賑わせている。

 そしてその「マッサン」効果を最も受けた企業と言えば、やはり大手ビールメーカーのアサヒグループホールディングス<2502>ではないだろうか?アサヒグループホールディングスは「マッサン」効果によりウイスキー事業が大きく伸長。その結果、12日に発表した14年12月期連結決算で経常利益が前期比8%アップの1331億円と、過去最高を更新した。

 アサヒグループホールディングスの14年12月期連決算の売上高は前期比4.2%アップの1兆7854億円、最終利益は前期比11.9%アップの691億円という結果であり、売上高で3期連続、経常利益で5期連続、そして最終利益で14期連続と、それぞれ過去最高を更新した。主力商品であるビール「スーパードライ」は冷夏の影響により伸び悩んだものの、発泡酒や第三のビール「クリアアサヒ」などが好調に推移し、安定感のある成長をみせた。

 しかしその一方で、同じくビールメーカー大手のキリンホールディングス<2503>とサッポロホールディングス<2501>も12日に14年12月期連結決算を発表。それによれば、キリンホールディングスは売上高が前期比2.6%ダウンの2兆1957億円、最終利益が前期比62.2%ダウンの323億円という結果であり、またサッポロホールディングスは売上高が前期比1.7%アップの5187億円、最終利益が前期比96.4%ダウンの3億円という結果であり、それぞれ業績を大きく落とした。

 特にキリンホールディングスは国内の販売が不振に陥り大幅な減益。その結果、00年以来の連結決算公表以来、初めて営業利益、経常利益、最終利益のすべてでアサヒグループホールディングスを下回ることとなった。

 「マッサン」効果により色濃く明暗が分かれることとなった大手ビールメーカー3社だが、同日に発表された15年12月期連結業績予想では3社ともに増益を見込んでおり、今後も激しい販売競争が展開されそうな気配だ。(編集担当:滝川幸平)