大塚HDの15年12月期、特許切れにより大幅減益

2015年02月16日 07:50

 主力である抗精神病薬「エビリファイ」の伸長や為替差益などの要因により、大塚ホールディングス<4578>の2014年12月期の連結経常利益が過去最高を更新したことがわかった。しかし今年の4月にアメリカでの「エビリファイ」の特許が切れることから、15年12月期の経常利益の見通しについては、大幅な減益を見込んでいる。

 13日、大塚ホールディングスは14年12月期連結決算(9ヶ月間)を発表。それによれば、経常利益は2172億円であり、過去最高を更新した。そのほか、売上高が1兆2242億円、営業利益が1965億円、純利益が1431億円という結果であり、大塚ホールディングスは14年度より決算期を3月から12月に変更しているため9ヶ月間の変則決算ではあるが、前年同一期と比較すると、売上高は8%アップ、営業利益は7%アップ、純利益は3%アップとなった。こうして軒並み業績が伸長した要因には、主力の抗精神病薬「エビリファイ」が伸びたこと、また円安の影響などがある。

 大塚ホールディングスは14年度より決算期を3月から12月に変更したため、子会社の収益計上時期などについても調整を行った。そして前年同一期と比較した場合、経常利益は9%アップとなる。薬価改定により国内では抗血小板剤「プレタール」などが落ち込みをみせたが、しかし主力の抗精神病薬「エビリファイ」に関しては、11%アップの5074億円と全体の40%を占める売り上げをみせた。

 また同日、大塚ホールディングスは15年12月期連結決算の見通しを発表。それによれば、売上高が1兆3700億円、営業利益が1100億円、経常利益が800億円、純利益が800億円になるとの見通しを示した。

 15年12月期にはアメリカでの「エビリファイ」の特許が切れるため、「エビリファイ」の売上高は57%減の2820億円になるとの見通しを示しており、利益率も高かったこともあって経常利益は1200億円と半減する。

 そして同日には製薬会社大手5社の4~12月期連結決算が出そろう形となり、税引き前利益でアステラス製薬<4503>と第一三共<4568>が増益を確保。しかし武田薬品工業<4502>とエーザイ<4523>は減益となった。(編集担当:滝川幸平)