今では、インターネットを使って買い物をすることが当たり前となった。これは若者だけに限らず、中高年や高齢者など幅広い年齢層の人がネットショッピングを活用している時代である。こうした時代を作り上げた要因に、楽天株式会社<4755>が運営する「楽天市場」の存在があることは間違いないだろう。それは米アマゾン・ドット・コムの「アマゾン」と並んで、ネットショッピングの代名詞的存在であり、年々その業績を拡大させ続けている。
その楽天株式会社が12日、2014年12月期連結決算を発表。それによれば、売上高が前期比15.4%アップの5985億円、営業利益が前期比17.9%アップの1063億円、純利益が前期比64.6%アップの706億円という結果であり増収増益となった。主力事業である「楽天市場」など国内インターネット通販(EC)事業が好調に推移し、流通総額(取扱高)は前期比14%アップの2兆円であり、初めて2兆円を超えた。また金融事業についてもクレジットカード取扱高が3兆5000億円に達するなど好調さをみせた。
楽天株式会社のインターネット通販事業が初めて1兆円を超えたのは11年のことであり、それからわずか3年後にそれは倍増することとなった。このことについて楽天株式会社は、早期にスマートフォン(多機能携帯電話)への対応を行ってきたことが功を奏したとの見解を示している。
「楽天市場」については、スマートデバイス向けサービスの強化、ビッグデータを活用したパーソナライズマーケティング、そして大型セールイベント「楽天スーパーSALE」やポイント還元を大きくアピールし実施した「楽天スーパーDEAL」などの施策が寄与し業績が伸長。そして「楽天市場」の1店舗あたりの流通総額は4810万円であり、出店店舗数は4万1442店となった。
また楽天株式会社は15年12月期連結業績の予想については開示しなかったものの、株式市況の影響を大きく受ける証券業を除いた連結の売上収益、営業利益は前期を上回るとの見通しを示している。(編集担当:滝川幸平)