安倍晋三総理は19日開かれた日本商工会議所通常会員総会であいさつし「全国津々浦々の中小・小規模事業者の皆様まで景気回復の波が届いていないのは十分承知している」としたうえで「全国の商工会議所の皆様にも経済の好循環拡大へ、積極的な賃上げを是非、是非、お願いしたい」と自ら、あいさつの中で労働者の賃金アップに協力を要請した。
安倍総理は「景気の好循環実現の鍵を握るのは、なんと言っても賃上げです」と語り、「昨年は約3分の2の中小・小規模事業者の方々に賃上げを行っていただいた。昨日の春闘の回答を見ると昨年以上の良いスタートとなっている。今後、景気回復の風が全国津々浦々に届くかどうかは中小・小規模事業者の皆様が思い切って賃上げに踏み込んでいただけるかどうかにかかっている」と強調し「今なんとなくこの話をすると難しい顔をしておられる方々が散見されますが、皆さん、賃上げの環境は整ってきています。賃上げを是非、是非、お願いしたいと思います」と要請した。
安倍総理は中小事業者への支援策についてもアピール。「昨年末から原材料・エネルギーコスト高への対策パッケージを講じている。約20万社の新事業者に対し、原材料価格の上昇分を適正に取引価格に転嫁するよう要請し、今月中を目途に業種別の下請けガイドラインを改定する」とした。
また、コスト上昇分が取引価格にスムーズに反映されているか、「今月末までに500社の大企業に対し集中的な立入検査を行う」と大企業への立ち入り検査を紹介した。
資金面での支援にも万全を期すとし「公的金融機関への要請の結果、この4か月間で約20万社の返済が猶予された。資金繰りの困難を来たす事業者や省エネ投資を促進する事業者向けの新たな低利融資も開始している」とサポート体制を紹介した。(編集担当:森高龍二)