安倍晋三総理は6日の衆議院予算員会で、民主党の階猛議員から法人税減税に必要な2000億円を中小企業が非正規社員を正社員にした場合に生じる事業所の社会保険料負担増の軽減にまわせば約80万人の正社員が生まれるとの提案について、受け止めを聞かれ「法人税減税は単なる減税ではない。稼ぐ力のある企業の税負担を軽減することで、積極的な投資、継続的な賃上げや下請け企業の価格転嫁につながっていくと考える」と実施に実効があると強調した。
また、安倍総理は「社会保険料は事業主の負担に限って軽減できる性質のものではない」とした。
この日、階議員は「地方の中小企業が正社員の雇用をためらう理由に賃金以外の労務コストの負担がある」と社会保険料の負担軽減を提案。
階議員は「仮に年収100万円の非正規社員を年収280万円程度の正社員にした場合、会社の社会保険料負担は43万4000円増になるという。この場合に、国が同額を支援すると仮定して勘案すると、今回の法人税減税で必要となる2千億円の財政負担になるが、同じ財政負担で約80万人を正社員化できる。こうしたところに使う方が地方創生に資するのではないか」と検討を促した。(編集担当:森高龍二)