臨時福祉給付金など減額「筋通らない」

2015年01月15日 11:32

社会民主党の又市征治幹事長は政府の新年度予算案の中身で社会保障関係費について「初の31兆円台に膨らんだとはいえ、大きくは自然増で、臨時福祉給付金や子育て世帯臨時特例給付金の減額、介護報酬の減額、生活保護費も減額されるなど社会保障の切り捨てが実施された」と指摘。「臨時福祉給付金や子育て世帯臨時特例給付金は消費税率の8%引き上げへの対策だったはずで、減額は筋が通らない」と見直しを求めている。

 また「介護報酬は9年ぶりのマイナス改定で2.27%の引き下げとなったが、2006年度のマイナス2.4%(過去最大)に次ぐ大幅な引き下げ(障害者福祉の報酬は据え置き)で、特別養護老人ホームなどを中心にサービス低下、職員の減少が一層深刻化することが予想される」と懸念している。

 また「介護や障害者福祉の現場で働く人の賃上げのための加算措置を拡充するというが効果はわからない。事業者が月1万2千円の賃上げに相当する待遇改善計画を提出すれば、賃上げ分の報酬を税金や保険料から出す仕組みだが、賃上げ分の報酬を除くと事業者自体に入る報酬は実質4%ほど減る(障害者福祉の報酬では実質1.78%減額)。事業所が実際に取り組むかどうかは疑問」と実効性に疑問をなげた。

 また、「生活保護は家賃として支給する住宅扶助、冬の暖房費などに応じた冬季加算の実質引き下げが行われる(約30億円ずつの減額)」ことをとりあげ「2013年度から段階的に行われている生活扶助(生活費)の引き下げ分を合わせ、前年度より総額約320億円の減額となっており、最低保障制度のラインを下げ、格差を拡大しかねない」と問題視した。

 このほか「年金受給資格を25年から10年に短縮する無年金者の救済、所得が低い年金生活者に月最大5000円支給する年金生活者支援給付金の実施が、消費税増税(10%)先送りのあおりで延期された。格差拡大が著しい中で行われた消費増税で低所得者の生活が脅かされており、当初の予定通り取り組むべき」とこの点についても見直しを求めている。(編集担当:森高龍二)