丸紅は4月14日、フランスの大手電力会社 Electricite de France社(EDF)と提携し、南米チリで大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設すると発表した。総事業費は300億~400億円規模の見通し。
世界でも有数の日射量を有するチリ・アントファガスタ州のチリ・アタカマ砂漠に、総出力146メガワットの太陽光発電所を建設し、チリ北部で売電を行う。
丸紅は、世界的な低炭素電源の重要性の高まりに対応し、再生可能エネルギー発電事業に力を入れている。すでに国内では8件の太陽光発電所を手掛け、再生可能エネルギーの発電容量は20万キロワットに達する。
今回の発電所建設は、2025年までに全発電量に占める再生可能エネルギーの割合を20%まで高めるというチリ政府の目標にも沿った事業となる。
EDFの再生可能エネルギー発電事業会社EDF ENは、世界20カ国で10,000メガワット(総量)を超える再生可能エネルギー発電所の開発・建設実績を有する、世界最大手の再生可能エネルギー事業者。すでに丸紅はEDFと協力し、北米での風力発電事業を展開している。
今回の事業により、丸紅が保有する発電資産は世界24カ国で35,434メガワット(総量)に拡大する。
丸紅は海外事業の強化・拡大を掲げる中期経営計画「Global Challenge 2015」で、南米を重点地域の一つに位置付け、「資源・インフラ・内需関連分野を中心とした案件を発掘する」目標を掲げている。
すでに同社はチリ北部を中心に4件の銅鉱山の運営に参画している。今回の発電所建設によって、これらの銅鉱山に安定的に電力を供給することも可能になる。今回の事業をきっかけに、チリでの事業展開が促進されると同時に、未開拓だった南米電力市場への進出が加速していきそうだ。(編集担当:久保田雄城)