米マクドナルド、4月の世界売上高0.6%減

2015年05月11日 08:34

 ここ日本でもマクドナルドの顧客離れは深刻化しているが、本国のアメリカでも同様の傾向が進行している。こうした「ファストフードの王様」の不振に機を見て、競合他社はマクドナルドから離れた顧客を獲得するために、様々な攻勢を仕掛けている。日本でも先月、メキシカンファーストーフードの「TACOBELL(タコベル)」が日本再進出をはたしているが、これは国内においてマクドナルドの勢いが低迷していることと無関係ではないだろう。かつて(あるいは、今でも)ファストフードの代名詞的存在であったマクドナルドだが、その確固たる地位が揺らぎ始めている。

 8日、米マクドナルドは4月の世界の既存店売上高を発表。それによれば、売上高は前年同月比0.6%ダウンという結果であった。こうして前年同月を下回るのは、これで11ヶ月連続のこととなる。日本マクドナルド<2702>同様に、アメリカでも深刻な顧客離れが進行しており、アメリカでの売上高は前年同月比2.3%ダウンという結果であった。日本の売上高も、相次いで発覚した異物混入問題などの影響によりマイナスとなっており、日本マクドナルよれば日本の4月の売上高は前年同月比21.5%ダウンという結果であった。マクドナルドの店舗は世界に3万6000店舗以上あるが、そのうちの約半分をアメリカと日本の店舗が占めている。その2つの国の売上高がマイナスとなっていることは、米マクドナルドにとってはゆゆしき問題であることは待ちがいない。

 そのため米マクドナルドは顧客離れの改善と売上アップのために、メニュー数を減らし町待ち時間を少なくするなどの施策を行ってはいるが、その効果は今のところ現れているとは言い難い。顧客離れに歯止めはかかっておらず、他の新興バーガーチェーンに顧客を奪われているのが現状だ。

 アメリカ、日本以外の地域の売上高を見てみると、ヨーロッパでは前年同月比1.0%アップという結果で、英国とドイツが伸長。しかしフランスとロシアはマイナスとなった。そしてアジア太平洋、中東、アフリカなどの地域は前年同月比3.8%ダウン。日本における不振が大きく影響しているという。(編集担当:滝川幸平)