マクドナルドの1~3月、過去最大となる145億円の赤字

2015年05月07日 08:15

 昨年発覚した顧客の個人情報流出問題により、ベネッセホールディングス(HD)<9783>が1日に発表した2015年3月期は107億円の赤字という結果であった。では、そのベネッセホールディングスの個人情報流出問題と同じくらい世間を大きく騒がせた、日本マクドナルド<2702>の商品異物混入問題の影響はどう現れたのか?同日、日本マクドナルドは15年1~3月期の連結決算を発表。それによれば、純利益が145億円の赤字という3ヶ月間では過去最大の赤字額になったことがわかった。ベネッセホールディングスと同様に、顧客の信頼を裏切った影響が色濃く決算に現れる結果となった。

 日本マクドナルドの発表によれば、15年1~3月の全店売上高は前年同期比32.5%ダウンの830億2900万円で、営業利益は前年同期より123億6500万円マイナスとなって99億6200万円の赤字、経常利益は前年同期より133億1400万円マイナスとなって111億2400万円の赤字、当期純利益が前年同期より158億5700万円マイナスとなって145億9400万円の赤字という結果であった。また既存店売上高も前年同期比32.3%ダウン、既存店客数は前年同期比23.9%ダウン、全店客数が前年同期比24.3%ダウンと深刻な顧客離れが発生していることがうかがえる結果となっている。

 また同日に発表された4月の既存店の売上高についても、前年同月比で21.5%ダウンと厳しい結果がつきつけられている。こうして前年同月を下回るのは、これで15ヶ月連続のこととなる。日本マクドナルドは、4月については期間限定商品が好調に推移したためマイナス幅は縮小傾向にあるが、依然として厳しい状況が続いているとの見方を示している。そして15年12月通期の業績予想については、380億円の最終損益を見込んでいる。

 上記のベネッセホールディングスと日本マクドナルドの決算に共通して言えること、それは「顧客の不信感が色濃く反映したものだった」ということだろう。日本マクドナルドは経営状態を立て直すために、採算の取れない131店舗を年内に閉鎖するとの方針を打ち出しているが、はたしてこうした施策だけで今の状況を脱することができるのかどうかは疑問だ。失ってしまった顧客の信頼を再び取り戻すこと、これこそが今の日本マクドナルドに求められる課題であり、経営状態を立て直すために可及的速やかに行うことなのではないだろうか。(編集担当:滝川幸平)