「最近の若者は、何を考えているのか」という問いは、もう長いあいだ繰り返されてきた。大正時代には「モダンガール(モボ)」という類型があったし、戦後は「太陽族」や「みゆき族」、80年代には「アンノン族」「クリスタル族」、90年代には「オヤジギャル」という類型もあった。「若者」は常にメディアの分析対象であり、大人たちの興味関心を惹きつけてきた。
最近では、電通総研が行なった「若者まるわかり調査2015」が興味深い。それによると、ここ最近の「若者」たちは、日本の将来は不安だけど日本のことは好き、つながっていたいけど人間関係をリセットしたい、などの「裏腹な意識=ウラハラ・マインド」を持っているという。「裏腹な意識」=「ウラハラ・マインド」とは何か。電通総研によると、具体的には次の5つだ。(1)『日本の将来は不安』だけど、日本のことは好き、(2)つながっていたいけど、『リセットしたい人間関係』、(3)自分たちが『社会をリードしたい』けど、変えることまでは考えていない男子、(4)『老後の生活が不安』だけど、今は楽しみたい女子、(5)欲しいものはあるけど『堅実・節約家と思われたい』。これら5つの、相反する感情を持っているのが、2015年の若者像だという。
調査は今年2月、関東・関西・東海地域に住む高校生以上の未婚15~29歳男女、3000人を対象に、インターネット調査で実施。アンケート結果をみると、「日本の将来が不安」という若者の割合は全体の77.3%で、「自分の将来が不安」という回答(64.4%)よりも多い。若者たちは、自分よりも日本の将来を案じている。一方で「日本のことが好き」な若者は全体の89.5%に達した。
LINEやTwitterは15~29歳以下の全世代、Facebookは大学生以上で浸透している。Instagramは女子高校生の2人に1人がアカウントを所有しており、複数のSNSを使い分けている。そんな若者たちに「普段の生活で使うことのあるキャラの数」を聞いたところ、高校生では5.7キャラ、大学生では5キャラ、20代社会人で4キャラと、複数のキャラを使い分けるのが当たり前のようだ。一方で、「人間関係をリセットしたくなることがある」と回答したのは全体の54.7%。最も高かったのは女子高校生で67.8%だった。ここにも、「友だちとつながっていたいけど、時にはリセットしたい」という“ウラハラ・マインド”があるのかもしれない。調査結果の詳細は、電通総研のHPで公開されている。興味のある方はぜひ、覗いてみてはいかがだろうか。(編集担当:北条かや)