LINE新体制、海外市場戦略と実生活密着機能強化へ

2015年04月27日 08:46

EN_0210_50

LINEはすでに、コミュニケーションツールの分野でタイ、台湾でトップのシェアを獲得している。インドネシア、インド、メキシコなどにもユーザーが拡大し、海外で1000万人以上の利用者を獲得している

 いまや、スマホ向け無料対話アプリLINEは、国内5800万人の登録者を抱え、SNSでトップシェアを握る。今後、同社はいかなる方向に進んでいくのか。

 4月に新社長に就任した出澤剛氏は、海外市場戦略と実生活に密着した機能の強化を抱負として掲げた。

 LINEはすでに、コミュニケーションツールの分野でタイ、台湾でトップのシェアを獲得している。インドネシア、インド、メキシコなどにもユーザーが拡大し、海外で1000万人以上の利用者を獲得している。しかし、世界市場には、Facebook傘下の「Messanger」、中国テンセントの「WeChat」という巨人がいる。この世界市場でのシェア拡大が同社の課題だ。

 同社では、アジア、北米、南米の3エリアに重点を置いて海外市場でのシェア拡大を進める。その際重要になるのが、ローカライズだ。同社では、現地の優秀な人材を雇用し、彼らに権限を委譲しながら現地化を推進している。日本にはないその国独自のサービスも開始している。例えば、インドネシアでは「同級生を探す」という機能を搭載し、ユーザー拡大につなげている。

 同社が海外市場戦略とともに重視するのが、実生活に密着した機能の強化だ。すでに、アルバイト探し「LINEバイト」、タクシー配車「LINE TAXI」、フードデリバリー「LINE WOW」、ECサービス「LINE MALL」などを開始しているが、こうした実生活に密着した機能強化を加速するのが同社の戦略だ。出澤氏は、それを「ライフプラットフォーム構想」と呼んでいる。

 この構想に不可欠なのが、決済サービス「LINE Pay」の強化だ。すでに、ファッション通販の「ZOZOTOWN」などの大手eコマースサイトでも使えるようになっているが、今後決済可能な提携サイトをさらに広げていく方針。

 「現金やカードが要らない世界」をイメージして「ライフプラットフォーム構想」を推進する同社は、着実に私たちの生活を変えようとしている。(編集担当:久保田雄城)