【今週の振返り】ギリシャ問題解決を織り込み531円上昇した週

2015年06月27日 20:36

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水曜日まで4連騰で終値878円高は、12連騰時の終値999円高に比べて2.6倍の上昇ペースだった。さすがに木曜、金曜はクールダウンした。

 後場は前引けの3円高で再開。午後0時32分に20952円のザラ場ベース年初来高値をつける。1996年12月6日以来18年半ぶりの水準。当時の消費税率はまだ3%でインターネット商業利用の黎明期。楽天<4755>はまだ創業していなかった(翌年2月7日創業)。しかし、そこから急落し20900円を割り込む。20800円台後半でもみあいながら時間が経過するが、1時30分前から20920円近辺まで上昇し、そこから2時までに20880円近辺まで下落。為替レートは朝からほぼ同じ水準で、これは高値圏でみられる利益確定含みの高値波乱で、需給面の「毒素」裁定買い残が12日のメジャーSQで急減したためか、先物主導の仕掛け売りでボロボロ下落する症状は現れない。「株主総会シーズンは悪材料が出ない」というジンクスもある。2時台は20870~20920円のレンジで小刻みな変動を繰り返す。それでも終盤はズルズル安くなり58円高の20868円で終了した。終値ベースの年初来高値を更新してもローソク足は黒。TOPIXはプラスでも1680台を守りきれなかった。

 新規IPOは2件。電子材料のスライス、特殊精密機器、化学繊維用紡糸ノズルの製造などを手がける関西の「ものづくり」企業、中村超硬<6166>が東証マザーズに新規上場。公開価格1700円に対して9時21分、11.8%高い1901円の初値がついた。ネットで電気機器、住設機器、楽器、書籍などの中古品販売を手がけるリユース企業、エコノス<3136>が札証アンビシャスに新規上場。公開価格600円に対して1時15分、2.2倍の1320円の初値がついた。これで6月再開後の新規IPOは「初値>公開価格」6連勝。

 日経平均終値は58.61円高の20868.03円、TOPIX終値は+3.49の1679.89。売買高は26億株、売買代金は2兆8343億円。値上がり銘柄数は1048、値下がり銘柄数は682。25業種が上昇し、上位は海運、証券、ガラス・土石、倉庫、卸売、非鉄金属など。保険、輸送用機器、繊維、水産・農林、陸運、建設、石油・石炭、金属製品の8業種が下落した。

 25日の日経平均は5日ぶりの反落。NYダウは178ドル安で18000ドル割れ。ブリュッセルのユーロ圏財務相会合はギリシャの新提案を承認・合意するどころか、年金改革が不十分と指摘されるとギリシャが態度を硬化させて結論持ち越し。楽観ムードは一変しNY市場はマイナス圏で下げ一方。1~3月期の国内総生産(GDP)確定値は-0.7%から-0.2%に上方修正されたが市場予測通りで反応薄。CME先物清算値は20735円。NY時間で124円台半ばまで円安が進んだが、朝方のドル円は123円台後半だった。

 日経平均は90円安の20777円で始まり3ケタ安にはならず。TOPIXも2ケタ安にはならず。ギリシャ問題が合意できず暗転しても決裂ではないせいか、4日で878円上昇した今週前半の「ギリシャ問題解決前祝い」のお祭りムードの反動減はさほど大きくない。午前9時台のうちに20800円台を回復しマイナス圏だが底堅い。20800円前後の小動きが続いた後、10時前から下げ幅を圧縮し10時32分に1.45円安の20866円まで登りつめるもののプラス転換はできず折り返し。それでも20800円台を手堅く維持して前引けは21円安の20846円だった。

 後場は前引け並みの水準で再開。午後1時台前半までは20800円台を保っていたが、為替のドル円が円高に振れて後半には割り込む。それでも押し目買いが入って2時台には20800円台を回復。そのまま終了するかと思われたが、終盤になって先物主導で売り込まれて下落し96円安の20771円で終えた。TOPIXはかろうじて1670台を維持した。

 この日の新規IPOは3件。コンタクトレンズの製造・販売大手、メニコン<7780>が東証1部、名証1部に新規上場。公開価格1700円に対して11時15分、73.5%高い2950円の初値がついた。超硬工具、超硬合金の製造・販売を手がける「ものづくり」企業、冨士ダイス<6167>が東証2部に新規上場。公開価格530円に対して10時36分、50.9%高い800円の初値がついた。健康食の宅配を手がけるファンデリー<3137>が東証マザーズに新規上場。公開価格765円に対して1時13分、2.02倍の1546円の初値がついた。6月の再開後は9連勝で今週はこれで終わり。6月の新規IPOは29日にもう1件ある。

 日経平均終値は96.63円安の20771.40円、TOPIX終値は-8.98の1670.91。売買高は20億株、売買代金は2兆3491億円。値上がり銘柄数は427、値下がり銘柄数は1351。上昇セクターは海運、その他製品、石油・石炭、保険、情報・通信、陸運など8業種。繊維はプラスマイナスゼロ。下落セクターはゴム製品、電気・ガス、パルプ・紙、不動産、輸送用機器、倉庫など24業種だった。