【今週の振返り】2万円の大台割れも喫して232円下落した週

2015年06月20日 20:42

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FOMCはスッキリせずに通過。18日にはとうとう2万円を割り、日銀会合は期待もされず、いつも通り。12連騰の貯金は4割目減りした。

 15日の日経平均は3営業日ぶりに小反落。前週末12日のNYダウは140ドル安。EUの高官がギリシャの債務不履行の可能性を正式に議論したと伝わりヨーロッパ市場は全面安。ミシガン大学景況感指数が市場予測より良くても焼け石に水だった。ドル円は123円近辺までドル安円高が進行。CME先物清算値は20325円。ギリシャのバルファキス財務相が「譲歩の余地なし」と発言するなどしてユーロもドルも不安定で、15日朝方のドル円は123円台前半だった。

 メジャーSQで裁定買い残という「毒素」を体外にデトックス。過去のパフォーマンスが良い「メジャーSQ後週」を迎えたが、日経平均は25日移動平均線を割り込む201円安の20205円で始まる。TOPIXも大幅マイナスでスタート。序盤は始値が底になる「寄り安」で徐々に下げ幅を圧縮。その動きは午前10時台まで続き、10時45分に22円安の20384円まで上昇したが、プラスに届かない。ドル円は123円台半ばまで円安が進み、TOPIXはプラスにタッチした。その後は20350円付近で小動きし前引けは45円安の20361円だった。

 上海市場が下落し、後場はやや安く再開し午後0時台に20300円を割り込むが、すぐV字回復。20300円付近でもみあった後、午後1時30分頃から前場と同じように徐々に下げ幅を圧縮する展開。2時台に20350円を越え、終盤になるとTOPIXがプラスに浮上。日経平均も高値を取りながら上昇するが、意地悪されたように20400円、前営業日終値直前で足踏みする。2時59分に20401円をつけるが、結局プラスになれず19円安の20387円で終了。TOPIX、JPX日経400はプラス引け3日続伸だった。

 日経平均終値は19.29円安の20387.79円、TOPIX終値は+0.44の1651.92。売買高は17億株で20億株割れ、売買代金は2兆100億円でかろうじて2兆円台。メジャーSQを通過しFOMCと日銀会合のダブル待ちもあったせいか約2ヵ月ぶりの薄商いだった。値上がり銘柄数は815、値下がり銘柄数は923。上昇は11業種で上位は保険、不動産、その他金融、繊維、小売、情報・通信、医薬品など。下落は22業種で下位は鉱業、パルプ・紙、石油・石炭、ガラス・土石、証券、金属製品、水産・農林などだった。

 16日の日経平均は続落。NYダウは107ドル安の大幅続落で17800ドル割れ。FOMCを前にして経済指標悪化とギリシャ債務問題の行き詰まりでリスクオフ。NY連銀製造業景気指数は市場予測を下回る-5.07。鉱工業生産指数はプラスの市場予測を裏切る-0.2%で2ヵ月連続マイナス。今回も弱かった。NAHB住宅市場指数が+5ポイントの59で9ヵ月ぶりの高水準がせめてもの救い。週末のギリシャ政府と債権団の協議は物別れだったが、ECBのドラギ総裁は欧州議会(ブリュッセル議場)でギリシャの銀行への資金支援は継続すると表明した。朝方のドル円は123円台前半。CME先物清算値は20350円。

 日経平均は54円安の20332円で始まり、TOPIXともどもマイナスでスタート。午前9時12分に20368円まで上昇するがプラス転換はできず、その後はズルズル値を下げ続ける。「浅間山噴火」の速報で先物が売られ、130円を超える下げになり10時40分の20234円で底を打つ。噴火はごく小規模とわかると棒上げし20300円台を一時回復。黒田日銀総裁が参議院財政金融委員会に出席し、10日の衆議院財務金融委員会での発言について「円安けん制発言ではない」と釈明しドル円は円安方向に動いたが、日経平均は20250円近辺まで下落する。浅間山や黒田さんでせわしい展開の前場だったが11時台は20250~20280円レンジの小動きに落ち着き、前引けは127円安の20260円だった。

 後場はほぼ前引け水準で再開し、FOMC、日銀会合のダブル待ちもあり薄商い。1時前から上昇して20300円にタッチするが、上値を追う勢いは弱々しい。トヨタ<7203>の株主総会が開かれ、問題の種類株の発行議案は3分の2を超える賛成株数多数(約75%)で可決され急騰。後場はマイナス圏の20200円台後半での値動きが続くが、徐々に右肩下がり。銀行株に元気がない。首都圏の新規マンション発売戸数は-18.7%の3495戸と5カ月連続減少。終盤も値を切り下げて129円安の20257円と続落。TOPIX、JPX日経400は4日ぶりに反落した。

 約1ヵ月半の長いインターバルが明けて新規IPO再開。この日は2件。自治体向けクラウドサービスのスマートバリュー<9417>がジャスダックに新規上場。最後まで初値がつかず公開価格1580円に対し3635円の買い気配で終了。初値は翌日に持ち越した。眼科手術用染色剤の開発・販売を行い、iPS細胞を利用した再生医療ベンチャーでもあるヘリオス(旧・日本網膜研究所)<4593>が東証マザーズに新規上場。公開価格1200円に対し9時40分、12.3%高い1470円の初値がついた。終値は1680円。事実上の白星2つで、上々の新規IPO再開日となった。

 日経平均終値は129.85円安の20257.94円、TOPIX終値は-12.06の1639.86。売買高は19億株で連日の20億株割れとなり、売買代金は2兆2639億円。値上がり銘柄数は405、値下がり銘柄数は1369。プラスのセクターは電気・ガス、食料品、ガラス・土石、空運の4業種、マイナスのセクターは銀行、海運、鉄鋼、パルプ・紙、鉱業、機械、証券、保険など29業種だった。

 17日の日経平均は3日続落。NYダウは113ドル高。ギリシャ問題は新しい動きがなくユーロ圏の株式市場は小幅反発。5月の住宅着工件数は-11.1%で市場予測より悪い3ヵ月ぶりのマイナスだったが、それでも100万戸の大台は維持し、良すぎた4月の反動、先行指標の住宅着工許可件数が+11.8で2007年8月以来の高水準で悪材料が〃中和〃された。さらにユナイテッドヘルスやP&GのM&Aのニュースや自律反発も手伝い大幅反発。朝方のドル円は123円台前半で前日と変わらず。CME先物清算値は20290円だった。