【今週の振返り】ザラ場では波乱があっても353円上昇した週

2015年05月16日 20:38

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雇用統計は良くても小売売上高は悪化。ギリシャ危機再燃で欧米の金利が上昇しても、翌日には沈静化。外部要因はネコの目のように変わる。

 11日の日経平均は大幅続伸。前週末8日のNYダウは267ドルの大幅続伸。アメリカの4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが22.3万人で3月から9.7万人の急回復。失業率は0.1ポイント低下し5.4%で2008年5月以来約7年ぶりの低水準だった。景気懸念は遠のいても早期利上げ観測が出るほどではなかった。CME先物清算値は19655円。為替のドル円は8日に一時120円にタッチしたが、11日朝方は119円台後半。

 ドイツのショイブレ財務相がギリシャの財政破たんに言及しても、消費者物価指数の低迷を受けて中国人民銀行が追加利下げを実施し、外部環境の好転で日経平均は前週の下落分152円を全て取り戻し258円高の19637円で始まる。TOPIXは1600台を回復。午前9時15分に19679円まで上昇し、その後は下げても19610円どまりで19600円台を維持。その後は19650円前後の小動きが続く。10時台後半に19600円を割り込み10時47分に19586円まで下げる場面もあったがすぐに戻し、前引けは245円高の19624円だった。後場は少し高く19641円で始まるが、上値が重く25日移動平均の19701円に接近することなく19600円をはさんだ小動きが延々と続く。ドル円も120円に乗らない。そのまま終了し大引けは241円高の19620円。TOPIXは大引けで1600台を守りきれなかった。

 日経平均終値は241.72円高の19620.91円、TOPIX終値は+10.57の1598.33。売買高は28億株、売買代金は2兆8468億円。値上がり銘柄数は1309、値下がり銘柄数は460。30業種が上昇し上位は石油・石炭、卸売、倉庫、非鉄金属、証券、水産・農林、小売、情報・通信など。下落は精密機器、保険、銀行の3業種にとどまった。

 12日の日経平均は3日続伸。週明けのNYダウはユーロ圏財務相理事会でギリシャ問題に一定の進展があり高く始まったが、OPECが向こう10年間の原油価格は100ドルを超えないという見方を示したと報じられ原油先物が反落し、中国の利下げも景気への不安ありと解釈され終値は85ドル安と3営業日ぶりに反落。朝方のドル円はアメリカの長期金利の上昇で120円台に乗せ前日よりも円安傾向。CME先物清算値は19595円だった。

 日経平均は12円安の19608円で始まる。TOPIXはプラスで始まりすぐに1600台に乗せた。しかし序盤から売り優勢で日経平均は19600円をあっさり割り込み、TOPIXもマイナスに転じる。9時23分の19527円を底にいったん反転するが、10時台に入ると再び売りが入って下げ幅が100円を超え、10時29分の19503円まで下落。11時前から再び下がり、19500円を割り込み11時21分に19467円の安値をつけた。前引けでは少し戻し121円安の19499円だった。

 昼休み中に先物が上昇し、後場は19500円台を回復して再開。日銀のETF買い期待もあり午後1時まで下げ幅を徐々に圧縮していき、1時台はおおむね19520~19550円のレンジで動く。3月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数1.2ポイント低下、先行指数は0.8ポイント上昇。景気の基調判断は「改善を示している」で据え置き。日経平均は2時を回るとにわかに上昇して19600円にタッチし、TOPIXは一時プラスに転じたが、そこでいったn押し戻される。それでも終盤には上昇局面がきて再び19600円に乗せ、TOPIXもプラス。そして最後の土壇場でプラスに浮上し3.93円高の19624円で引けた。TOPIXも1600台で高値引け。

 日経平均終値は3.93円高の19624.84円、TOPIX終値は+3.94の1602.27。売買高は27億株、売買代金は2兆7512億円。値上がり銘柄数は1017、値下がり銘柄数は731。19セクターが上昇し上位は精密機器、電気・ガス、保険、鉄鋼、海運、その他製品など。14セクターが下落し下位はゴム製品、鉱業、サービス、倉庫、医薬品、不動産、証券など。

 13日の日経平均は4日続伸。ギリシャリスクが再燃してドイツなどヨーロッパの国債が下落し、アメリカの長期金利は急上昇し約半年ぶりの高水準。それを受けてNYダウは安く始まり一時180ドル安まで下げたが、金利の上昇が一服すると買い戻されて18000ドル台を回復し、午後はプラスにタッチする場面もあり36ドルの小幅安で終えた。ドル円は119円台後半で前日よりも円高。CME先物清算値は19530円と軟調だった。

 取引開始前に発表された3月の経常収支は2兆7953億円の黒字で市場予測を大きく上回った。2014年度では7兆8100億円で4年ぶりに増加した。しかし為替は反応薄。日経平均は56円安の19568円で始まる。TOPIXは再び1600割れ。序盤は始値を高値に下落して19500円を割り込み午前9時19分に19494円まで下げるが、そこからV字回復し9時台後半はどんどん高値を取り19600円台を回復する。プラスに浮上し9時43分に19638円まで上昇してTOPIXは1600台に戻るが、そこで上値を抑えられ再びマイナス圏に戻るという乱高下の忙しい展開。10時台は10時15分に19640円の高値を取りながらも、ほぼ19600~19640円のレンジでプラスとマイナスの間を行ったり来たり。11時台もそれは続き、前場終了間際にプラスに浮上して前引けは7円高の19632円。しかしTOPIXはマイナスで1600に届かず、日経平均採用銘柄の大型株を中心に買われていた。

 後場はほぼ前引け水準で再開。前場の後半と同じように前日終値をはさんでの小動き。TOPIXは相変わらずマイナスで金融セクターが良くない。ところが午後0時50分頃から突然上昇が始まり、たちまち19700円を突破しTOPIXもプラスになる。前日の終盤や前場の9時台にも似たような先物プレイがみられた。1時までに19738円まで上昇し25日移動平均の19741円に接近。1時台はそれにタッチし1時19分に19753円まで上昇した。しかしTOPIXは1時台後半からたびたびマイナスになり別の世界のよう。日経平均も19700円台前半の水準を維持しながらの小動きが続く。2時に4月の景気ウォッチャー調査の結果が発表され、現状判断指数は53.6で3月比+1.4ポイント、先行判断指数は54.2で+0.8ポイントでともに5ヵ月連続の改善。基調判断は「ゆるやかな回復基調が続いている」で据え置いた。4月の企業倒産件数は前年同月比18%減。国内景気への不安はみられず日経平均は終盤19700円台後半に上がり、高値を取りながら徐々に上昇。2時56分に19791円と19800円に接近したが、大引けでは抑えられ139円高の19764円で日中値幅297円の激動の日を締めくくった。大型連休前の4月28日以来7営業日ぶりの高値で25日移動平均線の上に出た。TOPIXは小幅高で1600台を保った。